Let's北海道の2005”
                         もまた、
       スチールボーイUの巻
                    (注;2004”を先にお読みください。)






8月6日 土ようび  はれ
 AM6:30,今年も行きます北海道。まだ朝なのに新潟の夏ってとても暑いのです。
この暑さ、特にお盆の頃の暑さ(熱さ)など、もう何年も経験してないのでサッパリな野良屋さんでした。
いつもの様に荷物をブチ込み、いつもの様に確認もしないでもOKだと。

 『行くか鉄男!』
 
「丸せっぷ〜♪」
 『今年もこの調子らしぃ。。。』

 今年は釣りがメインなのであ〜る!(キッパリ)
会社の都合で夏休みがいつもよりも2日多くなり、余裕をカマシて釣り三昧ってな手筈であった。
もう機関車なんかは見に行かないゾ、ってな契約でも、また北海道に行きたいと言うので、とりあえずはチケットの中に人数は入れておいたってワケ。勉強ナンゾはいつでもいいんだョ。オレだってそうだったさ。学校では教えてくれない事の1つでも、この北海道で得てくれたなら良いのではないかナ、と思う。

 仮にも4年生になったこの鉄男君、鉄道や機関車熱は冷めてはいないが、学校で川の事を学習し、その中でもダムに興味を持ったみたいだ。アーチ式・ロックフィル・アースフィル・重力式コンクリート・砂防etc、オレはダムの中には興味があるが、ダムの形式や外観などにはマッタク興味ナシ。
 学校で教えてくれない内容として、基本的にはダムは自然破壊であり、砂防ダムなんぞは土建屋政治にしか利用されてないのだゾ、と徹底的に叩き込んだ。今どき水力発電なんてのは持っての他!首都圏で電気欲しくば、東京湾に安全な安全な原発を作るのが宜しかろうと野良屋流の教育をば。(^^;
 北海道にはどんなダムがあるのかとか、行く前から勉強したらしく、朱鞠内湖がどうの大雪湖がどうの、、、
ま、オレが釣りに行けばダムが見れるってな魂胆だが、確かに川沿いにはダムがあるし、しかし、夏の北海道でダム湖にはあまり行かない野良屋さんなのでありました。(笑)


 高速道路は順調にて、風速1m/気温27℃、う〜ん、蒸つい!
新潟名物の湿気を掻き分け、ドピーカンの中、早くも9:00には新潟港に到着。
 早々に受け付けを済ませ、ヒーヒー言いながら乗船を待ってると銀の道さんから連絡が入る。見送りに来てくれるらしいのだが、もう乗船の時間が来て、オレ達車は乗船口で順番待ち。まだ出航までには時間があるので、乗船してから搭乗者入り口付近で会おうとメールする。
 程なく乗船し、ロビー横の搭乗者入り口から向こう(ターミナル側)を見ますれば、このフェリーとのブリッジの先で銀さんが手を振っていました。係員に説明し、オレ達はフェリー側からターミナル側へと会いに行きます。

 「あ〜、組長さんがいた。」 ←注釈:そう呼んでいる(謎)
 「よー鉄男君、久しぶり。」
 「こんにちわ。これから、ほっかいどうに行くんだよ♪」

 この人とはオレのHPが縁で知り合った釣り仲間なのだが、鉄男にとっては鉄道の師匠でもあった。
オレとの釣りの話しなどはソッチノケで、2人でナニやらヒソヒソ話しをしておりました。(^^;
 そろっと出航のアナウンス。
 『行って来ま〜す。バンバンと釣りマクッて来ますからネ〜♪』

 ロビーで二寝の番号を貰い、ビール買って甲板に出て、埠頭で見送ってくれる銀さんに手を振ります。
空は快晴にして、そよそよと吹く海風が心地良い甲板でした。汽笛を合図に船はゆるゆると離岸。
あっそう言えば、見送られて北海道に行くのは初めてだったよナ?大きく手を振り、フェリーは新潟港を出航するのでした。


 二寝に荷物を置き、鉄男はもう勝手にフェリー内の散策に出掛けた。
オレはビール片手に休憩室に行き、北海道にメールを飛ばします。

おはようございます。
只今、新潟港を出航しました。
明朝に小樽に着きますゆえ、
釣りしながら待っててチョ♪
 〜野良屋


 さてここで、今回はもう1人の人物を紹介せねばなるまい。
2003年に北海道の糠平キャンプ場で知り合った宮城のガンマさんこと、RYOさんと言います。
北海道から帰ってからもメールでやりとりをし、釣りにハマッてるとの事。
そのRYOさんはと、今年は仕事を辞めて北海道に車で放浪に行ってるらしぃ。(^^;
なんですかネ、、、仕事を辞めて北海道ってな風潮は、ドコのドイツが流行らせたのでしょうか?(笑)
今年は一足先に行ってるRYOさんと合流し、一緒に釣りをしようってな企画なのでした。

 なんて考えてるとRYOさんからメールが入りの、

今朝は○○川でアメマスが
入れ食いでした!すごいです!
野良屋さん、早く来て下さい。
待ってます。
 〜RYO

それはそれは、もう既に北海道からの洗礼を受けマクッちゃってる模様。
多くの川を開拓してもらい、行ったら報告してくださいと返信してビールの続きだと。

 読んでいる本は、開高先生のフィッシュオン。久々に部屋から発掘して来たのだ。
釣りを憶えた頃に出会ったバイブルで、この本でABU5000Cを知り、銀山湖を知り、キングサーモンもパイクも知った。釣りには余計な知識は要らない。魚とラインを通して学ぶ個人の哲学であり、漁ではないので、その1匹の価値を賞賛して乾杯が出来れば幸いなのだ。例え魚が釣れなくとも“釣り”は楽しくあり、また、釣った時の喜びが味わいたくてまた川に向う。。。

 以前は寝る前に布団の中でとか、色んな本を活字を読んでいたのだが、もう数年来、故意に本を読む時間(予定)を作らない限りは、本に接する機会が少なくなってしまった。新たな本を買う気もせず、ただただ昔買った本を読み返しているのは、自分で自分の時間を止めてしまっているのかも知れない。
 目覚めた60年代、駆け抜けた70年代、発動した80年代と、オレの中では80年代を最後に、本も音楽も尽く縮小してしまい、失われた時を求めた92年からの現在、北海道に行く事に依って感染症の予防接種をしている自分が居る。今の時代や生活を否定している訳でもなく、良いものは受け入れ、合わないものはソレナリに、くれぐれも『昔は良かったナ〜・・・』などと溜息を吐くオヤヂにはならんゾと、自分に言い聞かせる野良屋さんなのでした。

 ・・・と、書いている現在、今の頭の中には鉄男の存在は無く、まぁ隣りにも居ないのであるが。(^^;
見るモノ聞くモノの全てを詰め込み、北海道のニジっ子の如く自由気ままに跳びマクリの鉄男。この先、目の前の自然な餌に飛び付き、人生初番にして餌師に釣り上げられ、その短い生涯を魚篭の中で閉じるのかも知れない。 がもしくは、キラメキの誘惑で反射的に喰らい付くも、痛いモノと知ったその異物を外そうと現世界と隔てられた水面を割って飛び出し、岸でアホヅラしてるルアー師目掛け、その口に咥えた異物を目の前で払い除けてやるのダ! そして舞い出た宙から水面に映った我が身を見る時、いつしか逞しく大きく、力強く光り輝く全身には誇らしいニジのバンドを纏った自分の姿を見る事になるであろう、と。

 〜148km






8月7日 日ようび  はれ   フェリー〜   
 AM4:10,定刻通りに小樽港に入港。
今朝も鉄男は3:00の頃から起き、フェリー内を探検していたらしぃ。(笑)
下船し、まずはコンビニで朝飯を調達。

 今年もオヤクソクで小樽交通記念館に行きたいと言うが、やはり開館にはまだ半日もあるので、ドコゾで釣りをして時間を潰すってな計画なのでした。やはり山を越えて仁木町方面へと向う。
峠の途中の小樽ワイン工場付近、草とも違う甘い香りが漂う丘には今年もありました、SLのD51が。
 『鉄男、アレは去年も見たよナ。』
 「うん、でもまたみたい。」
 『ヨシ、今年も貸切だ、存分に見て濃いぃぃぃっ!』

 オレだってそうだ、毎年北海道に来て、毎年同じキャンプ場や同じ川に行くんだ。でも何かが違ってるワケで、天気が違い、時間が違い、心境が違う。このSLも鉄男の中では昨年とは違ったモノに見えてるんだろうナ。
 『どうだ、楽しかったか?』
 「まえとおんなじだったよ♪」
 『あっそ。(笑)』


 峠を越し、余市川?の上流付近。さすがに日曜日なので釣り人が多く、川辺に車があると必ずや釣り人の姿もありで、ソレが証拠に魚が居るのはわかるのだが、ドコに入ってみようかと迷ってしまう。
適度に開けた橋の下に車を停め、鉄男が見守る中でルアーを投げてはみるのだが、マッタクサッパリ追いの気配もアタリもナシ。。。

 川を見ながら移動すると、鉄男がカーナビで近くにダムを発見したとか言い出す。(^^;
水ある所に魚あり、ダムでもドコでも行ってみましょうか。
支流の小樽川を遡り、上流のダムへと辿り着く。



 ロックフィルダムでナンタラカンタラとレクチャーを聞き、林道をゆっくりと走りながら、静まり返った鏡の様な湖面は人造湖とは言え神秘な光景でもありました。更に奥に行くとまたダムがあり、アメマスのパラダイスか、Bigなレインボーの宝庫なのだとか想像しながら、朝靄に覆われた景色に心動かされる。


 「もういいから、山おりようよ。」
などと鉄男が言い出すのだが、ダムが見たいと言い出したのはオマエだろが!
ってコイツ、、、熊=とても怖い動物だとの認識があり、山=熊であって、山の中に分け入るのは車であっても言語道断らしいのである。ばあちゃん、熊は危険だとか、立派なコンクリートの川が出来たとか、ヘンな教育はしないでクレ。キツネやタヌキは変化するとかさ、サンタクロースは実在するってな教育をして頂きたい。(^^;

コイツはオレと一緒に来ているクセに、まだ北海道とオレを理解していないつもりなのだナと。
 『熊が恐くて釣りが出来るか!熊は釣りをしないのであーる!!』

 熊って動物はな、絵本のプーさんみたいなおっとりとした性格の温厚な生き物で、コチラがイヂメない限りは、熊は人間を恐がって近くには来ないのだゾと、念を押して教え込む。
 がしかしダ、小さな頃から釘付けだったディ○ニーアニメよりも、実家の付近で毎年の様に熊が出たとか、近所の柿の木に登ってたとか、熊が出たので学校の登下校は注意だとか、そんな身近なリアルな情報で、熊に対して洗脳されちゃってるらしい。。。
もっと開けた場所に行かないと立ちションもままならないとの事なので、しぶしぶ山を下るとする。
 実はこの北海道、町の中以外は、川でも海岸でも線路沿いでも観光地でも無人駅でもキャンプ場でも、天然ヒグマの巣窟なのだとかは口が裂けても言えない父なのでした。(爆)


 赤井川村と仁木町を1周し、再度小樽に舞い戻る。
待ってましたとばかりに小樽交通記念館に入場。ここはヒグマは出ないと思うので、たっぷりと楽しむ事。(笑)
 今年は館内の展示物などに目を通す。道内鉄道の歴史や当時の開拓写真などがあり、手宮がドウノコウノ、森林鉄道がナンタラカンタラ、昨年とは違った見方で見学しているようだ。

 交通記念館だけに、鉄道以外にも自転車やバイクや自動車などがあり、、、
って野良屋さんんんっ!!!
 『ナント! マツダの787Bが展示されてるぢゃないか♪』


R26B型の654ccX4ロータリーエンジンは9000rpmで700psを誇る。
1991年にル・マンを制した栄光のモデルなのです!!
 その昔、オレの中学生の頃から憧れだったマツダのコスモ。社会人になり、ローンを組んでやっと憬れのコスモロータリーを買って乗っていたんだ。あのロータリーエンジン独特のフィーリング、今でも決して忘れはしない。
 異種なエンジンとして様々なレースでも過度なレギュレーションを課せられて来たロータリーエンジン。
当時、このル・マンでの朗報を聞いた時は、ロータリーファンとして嬉しかった。もしも自分がル・マンに居たのならば、ゴールを飾った時には泣き叫んで祝福をして居たに違いないと思う。
 古い小説で、マツダロータリーがアメリカのインディー500を制するって物語がある。
営業戦略的には勝ってはいけない異種なるエンジンであった。しかし、レース後半からは後には引けない事態となり、技術者とドライバーの思いが、遂にはレシプロ勢を抑えて優勝してしまうストーリー。その後、また異種なるエンジン排除としての過度なレギュレーションを課せられる事となってしまうのだが。。。
 小説が事実となったル・マンであった。もうル・マンでは走れない、悲しいかなロータリーエンジン。
この787Bが帰国し、マツダの本拠地である広島市で凱旋パレードをしたもの憶えている。
今、目の前にある787Bを見て、あの小説やル・マンの事を思い出した野良屋さんなのでした。
 『嗚呼、我が青春のロータリーエンジン。。。』

 昨年もこの小樽交通記念館に来たのになどと考えてみたりする。
パンフレットはおろか、この展示室なんて気にも留めてなかったワケで。(^^ゞ
北海道で787Bに会えるとわっ、野良屋さん、たまには観光もイイのかも〜♪(笑)
鉄男、隅から隅まで堪能しちゃいなさ〜い。

↓木製ラッセルの図:たぶん新潟の雪には通用しないでしょう。


↓鉄男君、御堪能しちゃってるの図


 さて、腹もへったのでラーメン食べに行こうか♪
また行きたい、また食べたい店、そう今年も【麻ほろ】に向います。

 「あーあれあれ、手宮がなんとかってかいてあったよ!」
またしても行く途中にて、興味深々な文字を発見しちゃったらしぃ。
旧手宮線を埋立てた遊歩道だそうナ。生ならばまだしも、廃線とか言い出したらキリがないぞコリャ。
軽く見学して満足させ、路地を曲がって【麻ほろ】に到着。

 『あっさり塩と、こってり赤味噌おねがいします。』
ついでに、ちゃーむす(チャーハンおむすび)があったので1つだと。
この【自然派ラーメン処 麻ほろ】、オレ的にはかなりお気に入りの店です。
しっかりした動物系スープに、ドギツくない魚介系の旨味が存分に入っています。昆布の出方も素晴らしく、北海道らしい麺もまた美味し。とても纏まりのあるバランスのとれたラーメンなのです。
 もしも小樽交通記念館に立ち寄る事がなかったら、毎回小樽には早朝に着いて即素通りするので、たぶんにこの店にも来なかったでしょうネ。などと、次回は入港から半日潰すのにどうしようかとマジで考えたりもします。




 腹ごしらえも済み、今日はコレといって行くあてもないので、RYOさんが待つ日高のキャンプ場へGO!
足早に札幌はエスケープ。大谷地から夕張に向うと、北広島の付近で突然の夕立とわっ!
この辺りから北海道らしい雄大な景色が広がり、遥か山の向こうの青空を目指してカットバす。
 見慣れた道、見慣れた景色、点在するポプラ並木をかすめて流れ行く風が車内に侵入し、座席の隅々まで洗っては、また窓から出て遥か彼方へと吹き抜けて行く。今年も北海道の大地の香りに包まれ、既に頭の中では会社も家庭もスッカリと忘れてしまっている野良屋さんなのでした。

 と、、、、
 「ほらほら、ダムがあるよ。なんてダム?」
・・・あぁ、またしても現実に引き戻されてしまった。。。(笑)
穂別ダムですか、かんがい用のダムで型式は中心遮水ゾーン型フィルダム、流域面積は70.5ku、提高38.2mで提長283.22m、吐出は越流式標準型側水路で、当り前に魚道などはナシ!
どうだダム男、満足したかいな?


 PM4:00,早くも日高に着き、スーパーで今夜の夕食を買出し。
また「やきにく〜♪」などと言い出したのでオレも同意し、道内産豚の肩ロースのステーキ用などを調達。
スグさまRYOさんにメールし、

日高に来ましたョ〜。
すぐにキャンプ場に向います
どのへんにテント張ってます?
 〜野良屋

 ・・・などとメールするも、目の前まで来てRYOさんからの返信がナシ。。。
山に釣りにでも行ってるのかも?川に刺さっちゃってるのかも??(^^;
まいっか、キャンプ場に入り受付を済ませ、いつもの毎年のお気に入りの場所にテントを張る。
するとやっとRYOさんからメールが入り、

温泉に行ってました
どこに居ますか?
いま受付の前に居ます!
 〜RYO

川の方でテント張ってます。
冷たいビールがあるから
早く来てください。
 〜野良屋


 すると、ケータイを振りながらRYOさんがやって来ました。
 「コンチ、お久しぶりです〜♪」

 RYOさんもコチラにテントを移動し、まずは再会に乾杯だと。
 『この人は前に糠平で会った人で、
  明日から一緒に釣りをするのダ。』

 「ぬかびら〜♪ はい線の、めがねばしがあるんだよ♪」
・・・そう来たか、大した挨拶ですこと。(^^;
はい、好きな所に行って遊んで来てイイゾ、と。

 冷たいビールを飲みつつ、RYOさんと積もる話しをしながら、静かな夕暮れ迫るキャンプ場。
 「あの、野良屋さん、明日は何時から釣りに行きますか?」
 『って言われてもネ〜、、、
  予定立てない主義ですし、朝目が覚めてから考えましょか♪』

 「うわー、ほんとにHP通りの人だ。(笑)」
 『・・・(^^ゞ』

 RYOさんは道南でアメマスとブラウンを釣ったそうだが、まだ北海道名物のニジのティールウォークを体験していないとの事らしかった。
しからば明日は、跳びマクリのニジを堪能しましょうと、ビールをブシュッともう一本。

 そろそろ暗くなって来たのでランタンに火を灯し、夕飯の準備でもするかと思うが、ウチの鉄男はドコゾに?
ちょいと見回りに行くと、キャンプ場の小川でしゃがみこんで居ました。
 「みてみて、どぼくこうじ。」

↓ンナ所にダムを作るんぢゃナイ!!(^^;
↑木のフィルダムだから、かんきょうはかいに
ならないんだよ。魚もいるんだよ、ほらね♪


 あらま、どこから来たのか、早くもヤマメっ子まで棲みついちゃってました。(笑)
もう夕飯にするから来なさいと。


 肩ロースステーキし、RYOさんを迎えての初の大家族ディナー。(注:3人ですが)
鉄道だのダムだのと鉄男から質問攻めに合い、すっかりタヂタヂのRYOさんだったのだが、なんとかのゲームの話しで意気投合してしまったみたいで、更になつかれてしまったようだ。(笑)

 



 和気藹々の途中でオレ達は温泉に行き、帰って来て鉄男を早々にテントに押し込みの、もう鉄道もダムもゲームの話しもせず、オトナの話しにて夜は更ける。

 〜261km






8月8日 月ようび  はれ   日高キャンプ場〜   
 AM8:00,また鉄男は早朝から出勤しに行き、オレ1人で二度寝後の快調なる目覚め。
まずはコーヒーをおとし、RYOさんとこれからの相談をば。
昨夜は雨が降ったので、多少は鮮度のある水が増えてヨロシイのではないかと思います。
 善は急げ、そそくさと朝食を済ませて、近場でニジの跳躍を見るべく鵡川へと発進。

 10:00,実績のある第一ポイントに到着。
ここからは川も線路も見えるので、鉄男は安心して待ってなさい。(笑)
しかし、どうも先行者が居たような形跡があり、川からの反応は思わしくない。。。
RYOさんと釣り下るがパッとせず、、やはり今朝付けられた先行者の足跡を発見して諦める。
 『はい、次行ってみましょ。』

 上流に行って次なるポイント。ここは先行者の形跡ナシ♪
渓流でのアプローチやルアー操作を実演しながら歩き、上流の秘蔵ポイントまで来た。ここでならばニジの1つや2つは出てくれるでしょう、と期待しつつ、RYOさんに釣ってもらうべく、先行させての釣り下りを開始。

 今回のオレはと、ベイトタックルで渓流を攻めてみる事にしました。
ABU2500Cから軽いミノーを発射し、ドコに落してルアーをこう引く、などと実演し、、、
あっ失礼、客人よりも先にヒットさせてしまいました。 v(^^ゞ
 ABU2500Cから伸びたラインの先では小気味良くレインボーが宙に舞い、北海道ならではの華麗なるファイトを繰り広げています。RYOさん、これです、これが北海道のレインボーの跳躍なんですョ♪



 ヤル気満々のRYOさんに、次なる大場所を指示する。
この渓流の本流筋で、大岩が点在して沈んでいる大物のポイントなのだ。
使ってるルアーは? うんうん、Dコンですか、この場所に相応しいルアーです。
 スピニングタックルでのRYOさんはと、経験が浅いとか言いながら抜群のコントロールをしてくれ、サミングをかけては指示したピンスポットにビシバシとルアーを入れてくれます。
 『あの対岸の岩陰です。流れの向うの
 岸ギリチョンにルアーを落し、ロッドを立てて
 ルアーを誘導し、ポイントに流し入れてゆっくりと通過させましょう。』


 すると見守る中、1回目のアタック流れ始めから即、
  「来ましたーっ!!!」

ロッドの曲がり方からしても、かなりの大物が流芯で引きマクッております♪ 2人の悲鳴にも似た歓声が終わる間もなく、40クラスのスーパーレインボーが重い流れを割いて宙に舞い出た!

 「あ゛ーーーっ!!!」
 『お゛〜〜〜っ!!!』

 この一撃でラインブレークしちゃいマシタ。(^^;;;
見てたらRYOさんのロッドは力強い引きに耐えかねてリールから一直線になってしまい、その瞬間に空中で首を振られた一発でルアーもろともバッツン!と。。。

 『スゴイっしょRYOさん♪
  目の前で40クラスの豪快なるティールウォークを!』

 「え、え、え、豪快も何も、何が起こってしまったのか、くやしい。。。」
 『キャッチ以前に、こんな名場面は滅多に見られませんゼ♪』
 「き、き、切られたー、Dコン、野良屋さんんんんん!」 (T_T)
 『スゴスギます♪RYOさんんんんんん!!』 (^^;

 調べてみると、リールのドラッグはカンカンに締まってました。
この場でドラッグの調整と重要性をレクチャーし、ルアーを交換する度に、ポイントを移動する度にラインチェックは欠かさずにしましょうと念を押す。北海道では渓流でもナニが起こるか分からないのです。
 いやはや、RYOさんには申し訳ないですが、イイものを見させて頂きました♪
オレはコレが見たくて北海道に来てるんだ。今後RYOさんの中でも、今のよりも大物を釣り上げない限りは、ずっとこのシーンが頭に焼き付く事でしょうネ。

 この川と同化した様な素晴らしいレインボートラウト。
釣り人の血を沸騰させ、この一匹が釣り人の人生すらも変えてしまう程のパワーと魅力を秘めている。



 車に帰り、絵日記中の鉄男に釣ったゾと、デジカメを見せて報告し、次のポイント目指して移動。
RYOさんと上流のポイントを漁るが、どこも先行者が居るか、入った形跡があって反応ナシ。。。
そろそろウェーダーを脱ぎますか。


 このまま峠を抜けようと先に進む事に。
今年も出ました、鉄男のオソルベキ予知能力を目の当たりにする!!!
ここに来る時、昨年行ってトカチだかスーパートカチだかを見て興奮していた占冠駅を通過しても何も言わなかったクセに、この先のトマム駅が近くなるとカーナビを見ずにもソワソワし始め、ついにはこの先に駅があるから行ってみようなどと言い出して来た。
 そろっとサービスしてあげようかと思い、誰も居ないトマム駅に行ってチョイと休憩。
時刻表も見ずにセミの鳴き声しかしないホームに飛び出し、

 「ほら、しんごうがかわった、なにか来るんだよ♪」

・・・って鉄男、ホントにナニか来ちゃいマシタ。 (^^;


 「とかちー♪」
それはそれは、今日の空と同じ青さの車体のトカチでした。誰も降りず誰も乗らず、トカチは低いヂィーゼル音を唸らせ、また青い空の向うに向って発車して行きました。

 さて落合に向う途中、この道と線路とは平行して走っているのだが、道路脇すぐに線路がある場所はそう多くもなく、偶然に走っている車から、偶然に通りかかる列車を見る事などは、当然偶然なのだと思う。
道脇の見通しの良いシェルターに差し掛かった時の事、偶然なのか必然なのか、呼んだのか呼ばれたのか、またまたナニヤラと遭遇したりもします。(謎)


 来るモノは拒まずで、運良く鉄男が喜んでくれるのだから別に構わないのであるが、、、
 『確率を越えて明らかに解せぬ!』

 落合で本線と合流。左折して富良野方面へと。
ナゼか知っているかの如く、目の前の落合駅に行こうとは言い出さない鉄男であった。
そのままゆるゆると国道を走るが、その後は一本も根室本線の列車には遭遇しなかった。


 幾寅に差し掛かると、待ってましたとばかりに鉄男が開口一発、
 「このへんに、ぽっぽやの駅があるんだよね♪」
鉄男的には昨年初めて通った道のハズなのに、1年経っても重要な場所はシッカリと記憶しているらしぃ。
確か昨年、オレは釣りをしたいばかりに、この幾寅はスットボケて先に進んだのであった。(笑)
ワカリマシタ、観光でもしましょか。



 根室本線、南富良野の幾寅駅。映画≪鉄道員ぽっぽや≫で幌舞駅として舞台となった駅らしい。
家にビデオはあるのだが、まだオレは一度も観てないのでナニがナンだかチンプンカンプンである。
RYOさんにも付き合ってもらい、トビキリの晴れ渡る空の下、有名な観光地に足を踏み入れる。(無料)
 だがしかしダ!!
コトもあろうに、ナゼにタイミング良くもキハが来ちゃったりもします。(←偶然)

 映画で観た世界にドップリと浸り満足そうな鉄男を連れ、近くのレストラン(食堂)の【なんぷ亭】で遅い昼食とする事に。オレは黒醤油ラーメンをば。
このロケ地の真ン前の店だけに、高倉さんも広末ちゃんも来たであろうなどと想像しの、、、
ほうほう、観光地ラーメンってな味の作りですし、コメントは控えます。。。

 もう4:30か、今から朱鞠内に行くにはあまりにも遠すぎ、(^^;
かなやまキャンプ場だと近すぎてモッタイナイし、
かと言って、富良野辺りは釣りをした事がないし、知ってるキャンプ場もない。
そうだ、RYOさんと出合った糠平に寝に行こうってな話しを持ち出す。(←でも遠い)


 夏の北海道の陽暮れは遅い。糠平ならば、まだ明るい内にも着くであろう。
Uターンをし、狩勝峠を越え、新得を抜け、鹿追を曲って然別湖をクリア。
通い慣れた道でこそ余裕を持って走り、時折り顔を出すエゾシカやキタキツネにも軽く挨拶。


 そしてギリギリ明るい内に、糠平湖に到着。
キャンプ場に行く前に、、、夕飯は【麺屋どんぐり】でしょうが♪

『醤油ネギチャーシューの大盛りで♪』


 一年振りの【麺屋どんぐり】です。(←って当然か)
まだ昨年の麺の食感も醤油の香りもスープのコクも忘れてはしませんョ。
今年の味はと、昨年よりも調和的なバランスが良くなっています。麺の加水が若干上がったか?食感が良くなってますし、醤油にスープが負けていません。
やはり素朴な旨味は健在で、コリャもう自慢すべき美味さでしょう。
 こんな山ン中まで来てドカチョイラーメンなどは食いたくもないですし、これからも糠平の名物ラーメン屋として名を轟かせて頂きたいと願っております。

 などと店主と話していると、鉄男が廃線がどうの、士幌線がどうの、めがね橋がどうのと割り込んで来て、
 「今年はダムの工事で水位が下がってますから、
  めがね橋ならば見られますよ。」

 「めっがっねっばし〜♪みれるの、ほんと、アーチばしなんだよね♪」
・・・どうも明日の予定が決まってしまった気がします。。。



 んで満腹になったところで、糠平観光ホテル中村屋の温泉で汗を流すと。
今年もこの温泉は熱く、ほとんどガマン大会の気分でした。(^^;;;
この糠平に毎年来てはいても、実はこの温泉以外は入った事がないのです。
他の店もこんなに熱いのでしょうかネ〜???


 昼間の暑さをも忘れる程に熱を得て、もう寝るだけとなったキャンプ場に向う。
もちろん第二キャンプ場はガラアキで、先客が2張りのみの静けさなり。
ピーク1の灯かりのみの中、手早くテントを張って鉄男を押し込むと。

 火照った体に夜風が心地良く、静かにRYOさんと冷たいビールで乾杯!
釣りの話しでビールが進むが、今日は先行者が居て思うように川に入れなかったとかの話しになり、ならば人跡未踏の山奥で爆釣してみますか♪などと言うとRYOさんのビールが止まり、、、
 「野良屋さん、そりゃやばいっす、先にヒグマが居ますよー。」
 『ナニをおっしゃる、ヒグマが釣りするワケはナイっしょ!』

 ニジだアメだヒグマだ自縛霊だと酒の肴は尽きず、その内に付近でガサゴソと音がし!!!

 「あしたは、めがねばし見にいくんだよね♪」


 〜176km






8月9日 火ようび  はれ♪   糠平キャンプ場〜   
 AM6:00,・・・なんで毎朝早起きせにゃならんのダ〜ッ!
日課の(注:年課)さんぽに行き、湖岸のトイレでグッモーニング!
確かに湖の水位は低く、この位の水位ならば、めがね橋が見えるでしょうネ〜。
ダムが満水時には水没してしまう旧士幌線の遺跡であり、オレは興味がないので見た事もナシ。
釣りの本で名ポイントだとの記事でしか知識がないのであります。
 朝からメガネだアーチだとハシャギたて、早くしないと湖に沈むとまで言い出しヤガリました。(笑)
されどゆっくりとコーヒーを飲み、軽く朝飯を食べてテントを撤収。
すんませんがRYOさん、今日も観光に付き合って頂きましょうか。(^^ゞ


 西側の国道を走り、途中の展望台から湖を見ますれば、遥か対岸にソレらしきモノが見えました。
 『どうだ鉄男、満足したか?』
 「いくんでしょっ!」
 『おほほほほ。。。』

 湖岸道路の林道に入り、ヒグマの気配がプンプンの道を奥へ奥へと♪
入り口の空き地に車を停め、ここから湖岸(ねがめ橋)までは徒歩になります。
真っ直ぐに切り拓かれた細い道が原生林を貫き、元は線路であっただろうと安易に察しがつきます。

 「のの野良屋さん、ここってヤバくないですか?」
 『ヒグマは観光しません。(キッパリ)』


 昼をも暗い小道を抜けると、青い空と緑なす湖、そして目の前には朽ちたコンクリート嬌が姿を現した。
 『行け鉄男、あの橋に抱き付いて濃いぃぃぃっ!』


 タウシュベツ川を跨ぎ、このワンドを横断する歴史的遺産のタウシュベツ橋(めがね橋)。
旧士幌線橋梁で、かつては蒸気機関車がこの橋の上を通っていたのであろうと。満水時にはダムに沈み、減水して出ては雨風や冬の寒風にさらされ、そのコンクリートは自然の成すがままに痩せ細っていた。

 釣り場的に見ても一瞥して好ポイントであり、タウシュベツ川へのワンド入り口に突き出たストラクチャーであって水通しが良く、サクラやニジの回遊魚から、イワナやブラウンの居着き魚までも期待出来そうなエリアだ。
この橋の袂は石のガレ場になっていて、この手の場所はオレは得意なポイントなのです。RYOさんに湖の攻め方などを話し、春のワカサギが湧く頃に来られたら、さぞかし満喫できるだろうと二人でニンマリと想像する。

 さて、一方そのころ鉄男はと?


鉄男君、しみじみ物思いに更けるの図↓


 国道へと続く林道をスタコラサッサと帰りつつ、たまに道沿いに不自然な草の道?があった。
この林道沿いにあり、そこだけは高い木が生えてなくて、見通しの良いストレートが森の奥へと伸びては消え、それはもう森の一部と化した廃線の跡なのである。

 そう言えば、この先の国道沿いにも廃線跡があった気が?
そうそう、古い橋もありましたネ。国道に出て上り、最初に音更川を渡る橋から見えました。これも旧士幌線橋梁で、マニア必見だとの事。今までは全く気にもかけていなかったが、上士幌から糠平に行く道中の川にも、たしか昔の橋がありましたネ。
今度通る機会があったら見せてみようナ、と。(今度ネ今度。)



 この先から音更川の支流に入り、RYOさんとヒグマ探索、いや、マイナーな川でアメマスでもと。
ド暑い陽刺の下、この川はジンクリアーでとても冷たく、天然無垢なアメマスかオショロコマがウジャウジャ居るかと期待してみたものの、大場所でアメマスの追いを数匹ばかり確認したのみで、スッキリサッパリ当たりナシであった。


 三国峠を越えると白い雪を抱いた大雪山が見え、どこまでも続く山々と原生林。
窓全開で走っていると風が心地良く、痛い程の陽刺の下には峻烈なる風が渡っている。
夏とはこうあるベキ。とても新潟の夏とは違う環境が嬉しくてたまらない野良屋さんなのです。

 さて、大雪湖に注ぐ川で休憩。
インレットはすぐそこだが、ここからRYOさんと釣り下ってみようかと。
鉄男君、ジュース飲みながら絵日記描いて待ってなさい。

 河原の大草原に車を停め、目の前の流れから入る。
川は減水してはいるが、水は清く冷たく美しく、キラキラとした小粒のキラメキを水面から放出している。この真夏であっても雪解けの香りがし、ウェーダー越しにその冷たさが感じられる。
魚の反応は、、、ない、

 小場所、大場所、あらゆるテクを駆使して探るが、オレとRYOさんのロッドは沈黙を保ったまま。
もうインレットまで近付き、そろそろ上がりましょうか? 小さな流れ、対岸のエグレに落としたルアーが潜行を始めた瞬間、川虫すらも居ないだろうクリアな流れから初の生命反応があった。
 それはそれは、絵に描いたような綺麗なアメマス。
たぶん、ルアーが落ちるまでは確か魚は居なかったのだ。岩の魚と書いて岩魚であるが、この種族は正に岩から変化した岩の化身なのではあるまいか? 不自然な異物を排除しようと岩が魚に姿を変え、そして生命を得た姿となっては水面に踊り出る岩魚族は、川底の岩から産まれ、そしてまた川底の岩へと返って行く。フックを外してリリースすると、手から離れた瞬間から水に溶け込み、目の前でまた元の岩の姿になって消える。


 ここで終了、川から上がり、道無き河原の雑草林を掻き分けて車に戻る。
草地には獣道が着いていて、エゾシカやらキツネの足跡を辿って行けば車に帰られるかなんてネ。
時折り止まって足元を眺めていると、RYOさん、

 「野良屋さんんん!!
  何を探してるんですか!変な足跡見つけないでくださいよ。」


 『いやネ、ヒ○マの足跡位は見つけてみたいナ、と。』
・・・ま、ソレらしき足跡は無かったですが。(^^;


 はらへった。今年は層雲峡で大雪山へのロープウェーにも乗って見たかったのだが、運良く鉄男は寝てるので、知らん顔して観光地をエスケープ。(笑)
上川でラーメンって手もあったが、釣具店にも行きたいので、旭川まで走る事に。 




 PM2:00,旭川もド快晴。ラーメンに免疫のないRYOさんの為にと、旭川ラーメン村へと入る。
確か釣具屋もあったと思ったので、、、ありました♪

 その前に昼食にします。
とりあえず【青葉】にて醤油ラーメン。鉄男には味噌ラーメンだと。
う〜ん、とても纏まった醤油や魚介系の旨味がありの、特にはソソラナイが◎でした。
 RYOさんと鉄男には先に釣具屋に向わせ、オレはチョイと用を足して来ます。すぐに帰るから釣具屋でクーラーにあたって休憩していてくださいネ、と。
 その用って、、、当り前にもう一軒で笑♪
【いってつ】に入ります。『いってつラーメン!』
ほうほう、2軒目にしてとっても油がソソリます♪
クーラーの効いてない店内は、スタッフの若さとラーメンの熱気でムンムンでしたネ。(^^;

 どちらも旭川らしい低加水の麺で、オレ的にはケッコウ好きな麺です。
味の作りも上手く、無難に美味いラーメンでアタリだったナ、と。



 さて、大汗かきながら釣具店に集合。
涼しい店内では、RYOさんと鉄男が目ぼしいモノを物色しています。オレはと、渓流用と知床用のシングルフックが欲しいのでした。サケやカラフト用のルアーとかもあり、流石は本場の釣具店ですネ〜。
vsピンク用のルアーがあったが、タコベイトとか着いているのが(^^;でした。
男はハードルアーとシングルフックで釣るベシ!!(キッパリ)


 ココからやっと今日の宿を検討します。もう目と鼻の先で、朱鞠内に行きましょか。
オレはすぐさまR275の田舎道にでも行きたかったのだが、どこかでスタンド、今夜の食料買いでスーパーにと、鉄男への配慮で宗谷本線沿いのR40を北上する事に。そりゃ旭川の市内で事を足せば良いのだが、どうもデカイ町(市)は居心地がよろしくないので、目的地に向って走りながら探すのが主義な野良屋さんなのでした。


 ほぼ平らで見通しの良いR40号線。
小高い丘を越えた時の事、北へ北へと続く宗谷本線の遥か彼方に光りが見えた。
 「なにか来るんだよ!」
はいはい、すぐに脇道へと入り、電線の無い線路の踏切で待機です。

 「きた!さろべつ〜♪」 



 PM6:00,朱鞠内のキャンプ場に到着。
受付を済ませ、ガラ空きの第二キャンプ場に行って特等席にテントを張る。
やはりこの朱鞠内キャンプ場ってのはイイ所だ。名物のデカイ蚊が居るが、それは夕暮れの一時だけで、陽が暮れて涼しくなると不思議と居なくなってしまう。オレはビール飲みながら夕飯の仕度をしてますゆえ、2人は蚊を追い払って楽しんでいてくださいナ。

 陽が落ちると途端に肌寒くなり、水温計で計ると17℃。長袖を着てビールで乾杯♪
今夜はRYOさんが準備してくれたジンギスカンです。必殺マメタンコンロで焼きます!
火種としてマメタンですか、懐かしいです、はい。マメタンあんか、マメタンこたつ、その昔はオレんちでもドコでも使っていた熱源です。ちょっと着火に手間取っていたが、木でも木炭でもマメタンでも、立てると火が廻り易いゾ、と伝授。このマメタンは火力調整は難しいが、長持ちして安価なので面白い火種かも知れませんネ。

 網の上のジンギスカンからは油とタレがポタリポタリと落ち、その都度マメタンから香ばしい煙がポワッポワッと立ち昇っていきます。
ニンニクと醤油の焦げる薫煙が辺りを包み、暗闇からキタキツネも出て来てしまいました。


 〜236km





8月10日 水ようび  はれ!!   朱鞠内キャンプ場〜   
 はやり今日もAM6:00に起こされ、、、
朝靄に包まれた湖を見ながらコーヒー。

 今日も早めに出発しての、川と線路でも見に行きますか。(笑)
ご飯を温めながら朝飯を何にしようかと考えてると、RYOさんがサバ味噌煮缶と魚肉ソーセージを提供してくれました。このソーセージをジンギスカンのタレで炒めてと、、、その側からツマミ食いする鉄男。。。
 『鉄男、水を汲んで来なさい、ジャグを満タンにするのだゾ!』

↓働かざるもの食うベカラズ!



 裏の林道を上り、途中の川に入る。
雨が降ってないのか川は思いの他に減水し、水温も高く、オレにもRYOさんにもピクリとも来ず。。。
この川ならばアメが爆釣だと踏んでいたのだが、鹿の足跡とセミの鳴き声だけが存在し、川はぬるく、活気も可能性も無く、只々刺さる様な陽刺が降り注ぐのみであった。


 釣りは諦めて林道を進み、御待たせしました、蕗の台駅跡であります。
撤去した線路跡地は年々自然に飲み込まれ、もう知らなければ単なる山の草原と化していた。
鉄男的には廃線と言えども、こんなにも遺品が無くなってしまったらツマラナイらしい。(笑)
朽ちた線路も無く、埋立てた土も草に覆われ、ホームのコンクリートのカケラすらも無い。
ならば宝探しでもしようかと、地面を細かに探して見る事に。

 「野良屋さん、また変な足跡でも探してるんですか?」(^^;

いいからRYOさんも鉄男も来てみなさい。

 『鉄男、コレを掘り起こしてごらん。』
 「あ゛〜っ゛、これって、線ろの金ぐだ♪」

 土に埋もれたイヌ釘なのです。
まだまだあると思うから、鉄男も探してみなさい。
RYOさん、オレと一緒にデカイ足跡かデカイ糞でも探してみましょうか♪(^^;;

↓元の線路跡、もう自然に帰りつつあるの図




 母子里まで下りて休憩。RYOさんとこれからの相談です。
今年のピンクの状況はどうなのか、一気にオホーツク海まで抜けてみましょ。
もちろん、通りかかりの川にも入って様子もみると。

 名寄から下川。途中で目ぼしい川を探ってはみるのだが、ヤマメっ子に慰められた程度で移動。
ヤバイ、ヤバイゾ、RYOさんはオレと会ってからマトモに魚を釣ってないゾ?
どうもこの怪しい親子に運を封じ込まれてしまってるらしぃ。。。(^^;


 西興部の道の駅で休憩。
そろそろ昼食って事で、高速道路のパーキング宜しく、天玉ソバでも食べてみます。
実は野良屋さん、珍しくラーメン以外の外食でありました。(笑)
 場内には小川も作られ、色とりどりの花が植えられ、御子様用に長ぁ〜いスベリ台とかもありました。
道の駅ってのはトイレ以外には特に利用しないのであるが、各地域に点在し、その町の特色等を凝らして作られている。この道の駅を渡り歩く北海道ツアーってのも面白いかもですネ。


 西興部の村中を通過すると、鉄男がカンバンの鉄道ナントカってのを発見!
まぁソレもよかろうと、RYOさんに合図をしてまた休憩です。
そこには旧名寄本線の廃駅・上興部駅があり、裏は広く公園?になっていた。
線路には色褪せたキハが停まっていて、、、ってコレワっっっ!!!

↓マニア必見♪天下無敵の除雪キハ!!(爆)


 う゛〜ん"、◎です、素人目で見ると花◎と100点の組み合わせです!!
機動客車としてのキハにDD14のロータリーヘッドとは、正に夢の共演♪(^^;;;
「ありえない〜!」とかのツッコミはナシだ!
この素晴らしいパチモンは、北海道広しと言えどもココにしかないであろう。
野良屋さん、感激しちゃいマシタ♪

 確かに無理とか邪道とかの範囲外ではあるが、鉄男もオレも喜んでます。(笑)
例えば、、、
このキハ14(笑)の反対側にDD15のラッセルヘッドも装着して往復させるとか。(←見たい)
とか、、、
C57に貨物を引かせ、後尾からDD51に押させるとか。(←非難轟々)
とかとか、、、、
EH500とDD51の重連対決とか!(←鉄男の案)

 何も知らないRYOさんには、当時この列車は除雪しながら走ってたんだと説明しときました。
上興部駅保存会?の役員様、なかなか遊び心と夢があってヨロシイと思いましたゼ。


 更に下ると、またまた鉄道ナントカってのを発見されてしまい、(^^;
Uターンしてワザワザそれを確認しに行くと。
町中の公園?に、こんなのもありました。

RUGOSA EXPRESS


 ルゴーサ・エクスプレスと書かれ、旅人の為にと車両内で宿泊ができる施設になってました。
無料らしく、鉄っちゃん達には御用達の宿泊所なのかも知れませんネ。

 「ほ・ほ・ホテルれっしゃ♪ こんやはここで・・・」

 『却下!』(キッパリ)
もしかの為に、カーナビにはマークだけは付けときましたとさ。


 さて、興部町に出てオホーツク海を右折。
ピンク釣り師は居ないかと海岸に出る道を行きますれば、、、

 「おぉ〜、はいせん、はいせん♪」


 ソレは海に程近い川にかかった鉄橋なのでした。
廃線などはどうでもヨロシイ。この川の河口で情報をば見に行きます。

 河口には案の定、釣り師が数人居ました。
赤い棒浮きが浮いてるので、カラフト狙いの餌師でしょうネ。
って事は少なからず、獲物の情報があったので釣りをしているのだと推測できます。
でもどうも気分が乗らず、ココでは釣りをしない野良屋さんなのでした。


 涼しい海風を浴びながらオホーツクハイウェイを南下すると、カーナビでは表示していないのに、またしても鉄男の体内ナビが何かに反応してしまったみたいだ。

 「丸せっぷって、どのへん?ちかくなの??」

 今日は知床まで行こうかとも考えていたのに、この一言で針路を内陸部に変更しましょうか。
紋別からのアヤシイ道を見つけ、山間部を通って丸瀬布に向う事にします。
してして、偶然にも初めて通る山間部の道にて、、、

またしても歴史的遺産?の廃線跡なのですっっっ!!!


 通に言わせれば、北海道ってのは現役鉄道と廃線のパラダイスだそうナ。
(注:しかし間際の廃線は手放しでは喜べないらしぃ。)
毎年北海道に鉄道旅に行っても、今年どこかでまた廃線が生まれてたりもし、旅客鉄道から森林鉄道まで見て歩くと、一生毎年北海道に行っても網羅も把握も出来ないであろうかと。

 この廃線跡は鴻之舞鉱山の鉱山鉄道の跡らしい。
こんな土台が道沿いに点在し、廃線跡ってよりも新しい遺跡にも見えて来ました。
鉄男君、当時の鉱山鉄道を想像して泣いてくださぃ。(笑)


 山を進むと道がヤバクなって来てしまいました。
金八峠、、、もしかしてこのルートは失敗だったかも?(^^;
途中から鬱蒼と原生林が茂る昼をも暗い未舗装の林道となり、悲しいかなカーナビはブラックアウト。
あまりの山ン中で助手席の鉄男は無言になるし、RYOさんはライトは点けるわクラクションはならすわでヒ○マ除けを怠っていませんでした。(笑)
 どうにか峠を越し、宇宙で待機している衛星おじさんは、やっとオレの車を発見してくれました。
峠を下ったらもう丸瀬布で、道路標識を見た鉄男の目が輝きを取り戻しましたネ。

 鉄男の案内でスーパーに行き(笑)、今夜のゴチソウの買出し。
昨年はこのスーパーで肉を買ったとか、焼肉のタレを買わなかったとか、まるで昨日の様な口振りで話してくれます。この記憶術が学校の勉強にも役に立てば良いのだが、オレもその口、≪好きこそモノの上手なれ≫と言いまして、興味ある事は一瞬でも憶えるが、そうでない事は≪寝耳に水≫で全くの無関心なのです、はい。


 軽く夕暮れの6:30,丸瀬布いこいの森キャンプ場に到着。
相変わらず人気キャンプ場で混んではいるが、昨年と同じ場所にテントを張る。

 『鉄男は解散、遊びに行って濃いぃぃぃ〜。』
さぁRYOさん、とりあえずビール飲みましょか♪

 目の前の川では釣りをしてる人が居て、RYOさんの目も輝き始めました。
このエリアはニジを放流していますので、その気になればノンノンズイズイ釣れるでしょうと。
今日はもう遅いので、RYOさんは明朝出撃してみたいとの事。オレは朝弱い釣り師なので、オレに構わずに行ってくださいナ、とビールで乾杯♪

 マグロとサーモンの刺身を薬味と醤油で味付け。
ご飯を炊きながら釣りだヒ○マだと言いつつ、ビールをもう一本。
川でダムとか作ってた(笑)鉄男を呼び、そろそろ夕飯にしますか。
 今夜のメインは親子丼です。
玉ネギを切り、鶏肉を切り、出汁を張り、、、などと準備をしていると、マグロとサーモンのズケのツマミ食いが始まりました。こりゃオレ達のビールのツマミなので、節度あるツマミ食いに留めてくださいョと、鉄男君!!
あ〜ぁ、遠慮なくバクバク食いやがって、明日はまたウォータージャグ満タンの刑にしましょ。

↓親子丼大盛りの図



 温泉に行き、さっきのズケの恨みで鉄男に、この辺りはヒ○マの巣窟なので、ウロチョロしてるとカジられちゃうゾ、と脅す。(笑)
がしかし、SLは石炭の煙を出すので動物は近寄らないのだとかワケワカラン理論をタレられ、効果があったのか無かったのか、明日も早くからRYOさんとは別に出撃するのだと張り切っているのでした。

 場内には明るく点々とランタンが灯り、そんな中でも川辺では淡く点々とホタルが舞っている。
何度来ても混んでいても一級のキャンプ場であり、鉄男が居ても居なくても外せないキャンプ場なのだと思います。RYOさんも川が楽しみらしく、キャンプ場で釣りができるってワクワクしている夜なのでした。

 〜226km






8月11日 木ようび  メチャはれ!!   丸瀬布キャンプ場〜   
 今朝は起こされず、ぐっすりと7:30起き。
もうRYOさんが待ち構えて居て、ニジを釣ったと喜んでいました。早起きし、すぐ目の前の落ち込みで出たとか、上流に行っても出たとか、そりゃもう他人事ながら嬉しく思います。
コーヒーを落し、今日の釣果を祝って乾杯コーヒー♪
見渡すと、鉄男は今年も対岸で、SL格納庫付近で元気に勉強しとりました。

 今朝は残りの玉子を使い、コショーをタップリと振っての目玉焼き。
温めたご飯に乗せ、溜り醤油をかけて崩して掻き込む目玉焼き丼なのです。
バターでも熱々ご飯に埋めておくと最高なのだが、まぁ贅沢は言わず。(笑)
 玉子ってのは安くて重宝なのだが、もしも地鶏の玉子でもバラ売りしていれば即買います。
通り掛かりのスーパーに行っても普通の玉子で10個入りなので、今回は3人も居るので10個でも使い切れるのが、一人で玉子10個入りを買ってしまったら、夕・朝・夕・朝と2日は玉子尽くしになっちゃいます。(困;) 



 朝食を済ませ、当り前の様に今年もSL雨宮21号に乗る。
今年も鉄男は丸瀬布キャンプ場を満喫し、RYOさんもこの川を満喫し、オレとしても居心地が良いので、来年もまたここに泊まりに来ると思います。
 もう11:00、もう出発しましょうか。



 山を下り、すぐ下を流れる湧別川へと。
丁度良く川岸に公園があり、鉄男はここで好きなように転がって汗していなさい。
しかし今日も暑い。北海道は湿度が低いのが救いだが、逆に空気中の水分子での紫外線拡散もなく、更には体表に汗が噴かない(溜まらない)ので、受けた紫外線を反射せずにダイレクトに刺さって来る感じです。
痛い暑さの北海道の夏の真っ昼間、これからウェーダーを履いて川に涼みに行きます。(^^;

 水量は程々、水温もGOOD、渓相も素晴らしいです。
RYOさんに先行してもらい、オレは後から得意なディープで攻めてみます。
初ッパナから流芯で明確なアタリがあるが、小物なのかフッキングには至らず。。。
何度も掛けてはバラシの繰り返しで、ここはプレッシャーで食いが浅いのか?

 その内にRYOさんにヒットがありました!
この炎天下の中、目の前で健気にもニジがジャンプを繰り返しております♪
RYOさん、初の飛びマクリのレインボーおめでとうございます。
コレでやっとオレと一緒に居ると釣れないってな呪縛から開放されましたネ。(^^;
そりゃそうと、オレの方はアタリはあれども釣れませぬ。。。

 体も心も乾き切り、さんざ探っても姿を見ないで終了。
オレ的には、この川でレインボーが釣れるって事が判明しただけでも収穫なのです。
来年コソは釣っちゃるゾ、と。



  〜〜〜≪親子の血、発動編≫〜〜〜
 今日は必ずや知床なのです。
カーナビで探ると、遠軽からR333→端野からR39→美幌からR334のコースで知床だとガイド。
R333は何回か通った事があり、何故か遠回りだがRYOさんの了解を経て、川もあるのでR242で生田原から留辺蕊に抜けるルートを選んでみたりします。
 進むと生田原川は思ったよりも小さく、まぁ石北本線があるからイイかなどと安易な気持ち。
どんどん進むと生田原川は細くなり、石北本線もルートから外れちゃいマシタ。(笑)

 線路がないので昼寝してる鉄男を他所に、軽く峠を越えてからナゼだか急にオレは、カーナビでポツンと表示しているこの先の金華駅が気になったのです。ま、寝てる子を無理に起こす事もないが、とりあえず金華駅に行って見る事にしました。
・・・あはは、するとここには鉄男が喜びそうなヤツが鎮座していました。

 『コラ鉄男、起きないと他に行っちゃうゾ!』


 「おぉ〜、き色い、じょせつ車だ。。。♪」
何とか一撃で目が覚めた御様子ですナ。

 車から降りて写真なぞを撮っていると、この無人駅からナニやら2人の人が出て来ました。
首からは白レンズのカメラをぶら下げの、どう見ても明らかに鉄っちゃんなのですっっっ!
どうも森の奥を気にしています。・・・って事は、コレから白レンズの標的とされる列車が来るのか?
鉄男は初めて見る本格派の鉄っちゃんを目の当たりにして喜んでます。(^^;

 オレも鉄男もカメラを森の奥へと構えます。RYOさんは固唾を飲んで見守ります。
すると即座に来ました!

 「おーっ、おーっ、オホーツク♪」


 コレが珍しいのか貴重なのかはオレにはワカラン。。。
しかし鉄っちゃん達、数分の余裕を持ち、この時間ジャストにこの列車が通過するのを知っているようだ。
あれ?通過する車両ってのは、駅の時刻表にも書いてあるのかナ??
この世界、アナドレナイ。

 運良くオホーツクとか言う車両を見られ、偶然にもこの駅に立ち寄って正解でしたネ。
留辺蕊町でR39を左折し、また石北本線と平行に走る見通しの良い真っ直ぐな道が続きます。
原野とか広い田園風景の中を走る北海道らしい道、オレは大好きです。


 小高い跨線嬌を通過して線路をまたぎ、また真っ直ぐな道になってすぐの事、、、
今考えてもまだワカラン。オレはその時にナニかの予感?がしたのだ。

  ・・・遠く遠く、真っ直ぐな道の遥か遠く、
  ・・・光りが見えていたのかも知れない?
   ・・・脳内のズーム機能が、赤い色を認識していたのかも?


  ・・・などと考えながらアクセルを緩めたら、来た!
 『鉄男ぉぉぉ〜っ、
  DD51だ! 貨物だ!
    アレは絶対にDD51ダ!!』


 丁度バス亭があったので速攻で停車、
下りろ鉄男、カメラ持ったか、左右確認、ヨシ渡れ、見れ、来たゾ生のDD51が♪

↓先頭機関車→
↑後尾機関車→


   『ヤッタ〜、スゴイゾ、スゴイゾ、
   遂に生きてるDD51に出会えたのダ〜♪』


 嬉しさ頂点、感極まりで、鉄男の鉄の師匠である銀の道組長に電話して自慢する。
聞くと、コレは貨物だが2両接続の重連ではなく、貨物の前後に機関車を付けたプッシュ・プル配置との事。更にはコレは玉ネギ運搬か何かでの臨時車両で、通常のダイヤには記載されてなく、偶然にも見れたのは運がイイとの事であった。
 ・・・あっ、さっき金華駅で待機していた鉄っちゃんは、このDD51が来る事も知っていたんだ!
オソルベシ、鉄ちゃんの情報網とわっ!

 しかし、当の鉄男よりも喜んで舞い上がってしまっていたのはオレなのでした。
確定は出来ない、もしかと思ったらバス亭があった。
偶然にも国道の車線には車が途切れた瞬間であった。
偶然にも線路脇には障害物も無く、景色の全てが見渡せた。
そして偶然にも、現役の生の生きてるDD51に出会えたのであった。
このルートを通らなければ見れなかった。
この道を選んだ時点で、
いや、丸瀬布を出た時点で、
いや、この北海道に来た時点で、
今日この日、今起こった事はもう既に決まっていたんだ。
例えオレ達がこの道を通らなくても、このDD51はこの時間に運行してたんだ。
下調べすらもせずに偶然の出会い、
事後だから何とでも居えるであろうが、コレはツキの構造に似ている現象なのだ。

 「野良屋さんが何で急停車したのか分かりませんでしたよ。良く発見しましたね。」

野良屋さん、RYOさんからはすっかり鉄っちゃんだと思われてしまっております。(^^;
鉄男と居てナニかが感染してしまったのだろうか?
運命なのか偶然なのか必然なのか、、、予知能力が目覚めたのかも?(^^ゞ

  〜〜〜≪親子の血、発動編≫〜〜〜つづく?(笑)




 PM3:00,興奮覚め止まぬまま、遅い昼飯を食おうと北見に入る。
カーナビにはいつか入れたチェックマークの【山岡家】がありました♪
赤いDD51を見た祝いには、赤いカンバンのこの店でしょう!

暑い、熱い、今日は熱いゾ〜!

 「ひやし中か♪」

 『ネギチャーシュー中の油多目で味薄目♪』

 おぉ〜、熱い、臭い、カチョイ、美味い、チャーシュー甘スギ〜♪
豆板醤とニンニクも入れ、更にパワーUPしますっ!!
ん゛〜クソ〜、うめぇゾ山岡家!

大出力2200馬力!(←特に意味ナシ)



 満腹し、ちょいと美幌で寄り道をば、軽く美幌川を見に来ました。
上流域は水量が少なく平坦で、山の肥沃な森林の土壌から染み出すタンニンなのか、川底の石は黒く濃く、ソレでもこの川には体高のある体色の濃いニジが棲んでいます。
川に降りられる場所を探し、遊び程度にルアーをキャスト。
はい、やはり早くも遊び程度で終了しました。(^^;

↓上流にも魚は居るが、好ポイントが少ない。



 R334を通って知床を目指す。
美幌から東藻琴。緩い丘陵地帯を通る一本道で、いくつものウネった丘を越えると牧草地を渡る小川があったりする。橋の付近以外は牛も通らぬ藪が茂り、さぞかしウブなアメマスでも居そうな感じ。
 毎回通る度にそう思い、いつかはロッドを出してみようと思うのだが、快調に定速走行していると気付いた時には通り過ぎてしまい、その為にワザワザUターンするのも億劫だと思ってしまうのでした。

 小清水のコンビニで氷やら食料などを調達。
斜里を通過し、左手に沈み行く夕陽を見ながらの知床半島。


 もう夕暮れの7:00、今夜の宿と明朝の釣り場はこのオチカバケ?河口付近で野宿に決定。
リアハッチを上げ、ランタンを吊るし、小さなテーブルを置いてイスも適当に配置。
お菓子とジュースとビールを用意したら、さて、スナック・オチカバケの開店なのです♪

 「のの野良屋さん、知床だし、この沢って・・・絶対居ますよね、」

 『見なさい、我々よりも山際で焼肉してる釣り人も居ます。』

 「いや、その、もしも、、、こちら側から来ちゃったらなんて。。。」

 『ヒ○マはビール飲まないっしょ!』(キッパリ)

 「DD51の、ぷっしゅぷるだよね♪ それで、なにがでるの?」

 『鉄男や、RYOさんはキツネが怖いんだってさ♪』

 夜の空気は澄み渡り、降るような星空の下、釣りだヒ○マだ廃線だと話しは尽きない。
ヤブ蚊をペチペチと叩きながら、夜食にカップの焼きソバ。
 寝る前にまた3人で星を見ながら、幻想のひと時を過ごす事に。
北海道で見る星空はキレイなのだ。全ての星が大きく近く見え、大なり小なりの流れ星が常に降り注ぎ、それらを数えてるだけでもビールのツマミになってしまうのでした。

  『見てみなさい、あの北斗七星を。あれは大きなネットなのダ。
   明日の幸運をあの巨大なネットですくい取るのです!』


 
「あの、気のせいか、ヒ○マの手にも見えて来たのですが、、、」(^^;

  『おぉそう言えば、北斗七星ってのは確か大熊座でしたかネ?』(爆)

 〜262km






8月12日 金ようび  大熊晴れ♪   知床・オチカバケ河口P〜   
 AM4:00起床。もう海岸では気の早い釣り師が陣取って居る。

 『RYOさん起きれ!起きないとヒ○マの朝食になっちまうゾ!』(^^;
車は道路のすぐ脇で、鉄男には今朝のスケジュールを伝えてあるので安心だと。

 RYOさんはライトなタックルだが、まぁ釣れたら釣れたでナントカなるでしょ。
イザ、待ちに待った知床でピンクサーモン・フィッシングにLet’s Go!

 河口は早起きの紅イカ師様達が囲み、ちょいと離れて開始します。
実は今年の野良屋さん、知床タックルは今までと違うのです。愛機ABU5000Cのスプールを改良し、強度を維持して軽量スプールを製作して来ました! 会社で残業後にコツコツと計測し設計し、アルミA7075を削り出し、太軸の軽量スペーサーを作ってみました。
 北海道に来る直前に仕上がったので(注:企画は冬から=泥縄主義)、夕暮れの魚野川で1回テストキャストしたのみなのですが、思いの他に軽いルアーがキャスト出来る様になりました。
 更には釣り仲間となった“Avail”様よりABU5000C対応のマグネットブレーキユニットを入手。ノーマルの遠心ブレーキとは異種な感覚で、まるで異次元のマグブレーキフィーリングになりました。
ABUで鍛えたこの親指を持ってすれば、初速UPで今までよりも遠投が可能ってな手ハズなのであります。

 お約束のピクシー1/2ozを付けて恐る恐るキャスト!
何回か投げてはピクシー1/2ozの感覚を掴み、自分の親指に合わせてブレーキ調整。

 『チェストォォォ〜!』
どう考えても昨年よりもブッ飛びマクリであります♪

 30分経ち、1時間経ち、河口の紅イカ師様達の赤い棒浮きも、のんびりと波間に揺らめくばかりなり。
アタリも気配もサッパリスッキリありませぬ。。。
ここは軽く海へ張り出した河口で、回遊して来たピンクは釣れるが、ここにいつも居着くピンクは居ない場所なのです。群が入れば近くでも釣れるのだが、居ないとなったらテコでも釣れません。
 その内にRYOさんが諦め、鉄男の様子を見て来てくれると言ってくれました。

 暫らくし、群落ちか迷子のピンクに望みをかけてアンサー20gをフルキャストしますれば、ルアーが見える範囲まで来てロッドにショックが走り、瞬間ラインの先でギラリと魚体が反転したのが見えた!
 『しまった、バレた。。。』

 その直後、 「魚はつれた?」
後では鉄男が見に来てくれていました。
 が、、、「むこうであそんでるから、つれたらおしえて。」

 群落ちの1匹でも居るのが分かったので、紅イカ師がアクビをしてようと意地でも釣りたい。
アンサー20gに望みを託し、フッキング率が落ちてもバレ易くても、シングルのバーブレスで通す!
フルキャストしては神経を張り詰めながら巻き、投げては引き投げては引き、、、
そろそろ腕が疲れマシタ。。。

 他の場所に行こうとここは諦め、橋の下で遊んでる鉄男RYOさんの所へトボトボと向う。

 『ココはもうダメです、他をあたりましょうか、、、』・・・ってネ、

RYOさんまで一緒にダム作ってるし!(笑)
みてみて、しれとこダム。ぎょどうもつくったんだよ♪



 車に帰り、ヘトヘトとウェーダーを脱いで寛ぐ。
朝飯は菓子パンと烏龍茶1L。
そこへ通り掛かった釣り人が来て、色々と情報交換をする。
この場所は昨日は良かったのだが、今朝はサッパリ群が居なくなったと言う。幌別河口も見て来たが、駐車場が空いてなくて入れなかったとの事。あのワンドならば可能性があるだろな、と。
 オレもそう思います。幌別河口はこことは違い、ワンドを形成しているのでピンクが溜まり易く、そして淡水を舐めちゃったからそのエリアに留まってる個体が多いハズなんだ。だから人気も高く、狭い駐車場はいつも満杯。幌別か、釣り人の数が多くて避けてるのだが、北海道で初めてピンクを釣ったのもソコだし、諦め半分で様子見にでも行ってみますか。


 ドピーカンになってしまった8:00,やっぱり駐車場が満杯の幌別川河口に到着。
路肩に停車し、RYOさんと打ち合わせ。
釣り人も通り掛かりの観光客もワイワイと下の海岸を見ている。
ふと見ると観光客のオバチャンが、車の鉄男に何か話している。
 「ねーっ、クマがいるんだって!」

海岸を見ますればナント!あの御姿はまるで絵に描いた様な光景ではありますまいか♪

 『RYOさん、遂に出ました、
   憧れのヒグマなのです〜♪』

↑ここからだと背中にファスナーがあるか確認できず。(笑)


 マヂマヂのマジですか〜♪
この真っ昼間に、国道脇に、観光名所に、コレから釣りをしようって場所に、、、
 『名物のヒグマと釣りが出来るとわ、北海道オソルベシ!!!』(^^;

 もちろん海岸には釣り人は退避して居ません。
橋の上から見ていると、橋の中ほどにアンテナを持った女性が一人と、海岸には男性が単独で、ライフルにしては銃身が短いような銃を持って歩いています!!
 人が来たのでヒグマ君、海岸から離れて警戒しとります。その内に銃を構え、ヒグマ君の方を目掛けて軽い銃声がし、遂には何か発射されました!!!

 パン!パン!パパン!
どうもクマ脅しの爆竹弾のようでした。

 橋の上でアンテナを持っていた女性と海岸に居た人は自然保護の監視員でした。
あのヒグマは最近近くをウロチョロしに出て来て、発信機が付けてあるので来たら分かるのだそうです。
まだ若い雄熊で人間の恐さを知らず、来たら人間は恐いのだゾと脅して山に帰らせるんだそうナ。
危険回避で殺す手段は使わず、共存の名の元に保護されてるのですネ〜。
監視員さん、ありがとう。オレだって目の前でヒグマが射殺される場面は見たくもないです。

 『さぁRYOさん、今ならば海岸はガラ空きですゼ!』(^^;

 あはは、遠くで待機していた釣り人が数人、もう海岸へと向って来ました。
銃を持った監視員が去ると釣りを始め、青く澄んだ海にルアーをキャストしています。
 運良くヒグマ騒動で駐車場が1台空き、オレの車をそこに駐車してと。
RYOさんに前に着けろと言うと、どうも海は性に合わず、釧路川で行きたい場所があるので行って見ると。そしてまた向こうで合流しましょうと言って、とりあえずは別行動にしたのでした。


『さぁ鉄男、ダム作りに行こうか。』

 「うーん、ねむい、ここにいる。。。」

『もうクマは居ないんだョ。さっきのアンテナおねいさんが言ってただろ、安心して居られる知床にする為に、見張って守ってくれているんだって。この駐車場よりも広い海岸の方が安全なんだゾ。』(←ホントか?)

 「うん、やっぱりいく。」


 ここで粘っても2時間のつもり。RYOさんが先に行ったので、投げるだけ投げて気が済んだら、オレ達も釧路に移動するって約束。
真夏の知床で真っ昼間、潮は引きマクリで水の色はクリア。
道内の某釣り師曰く、運が良ければ大物も釣れるしヒグマにも会えると言う。更には大物を釣るよりもヒグマを見る方が確率的に高いのだと言う。運か運なのか?オレはDD51も見たしヒグマも見た。ラッキーな事に駐車場も空いた。幸運の大きなネットの北斗七星は大熊座だった事も判明した。(笑)

 運の上昇は希望的観測で確定にて、後は現実を見て見るのみ。
ここでヒグマに出会った事は、既に決まっていた事なんだ。
まだオチカバケで粘っていたら見れなかった。
この知床に来た時点で、
いや、丸瀬布を出た時点で、
いや、この北海道に来た時点で、
今日この日、これから起こる事はもう既に決まっているんだ。
例えオレ達がこの道を通らなくても、あのヒグマはこの時間に出没してたんだ。
アンテナの情報も知らずに偶然の出会い、
事前だから何とでも妄想出来るであろうが、コレがツキの構造の予測なのだ。
遺恨を残さぬよう、全神経を集中して釣りに挑んでみようと思う。


 改良したスプールとブレーキ、さっきバラシたアンサー20g、この特性はもう親指が記憶した。
何度か訪れたこの幌別河口、記憶の断片にどこが深いか根があるか、何となく甦って来た。
河口からやや離れ、来る度に上がる岩がある。またこの岩に立ち、およそ11時の方向へフルキャスト!
 このまま正面に投げるとギリギリに根がある。この方向だと深場があり、以前よりも遠投されたアンサー20gは、長くラインを引き連れて紺色のエリアに静かに落ちる。

 完全に感覚が甦って数投目、それは懐かしくも嬉しい感触であった。

 『ヤッタ、取った、ヒットだ鉄男!!』

 「しれとこだい2ダムつくってるから、まってて。」

 『見てれボケナス!!』


 ダムに熱中している鉄男を尻目に、軽くドラッグを滑らせながらやり取りを楽しむ。
岩から降り、鉄男のダムの方へと寄せた。
 「おぉー、でっかいお魚だねー。」


 やや小さめだが綺麗な雌のピンクサーモンは50p弱。
3人で今夜のオカズになるサイズなのだが、何の為のシングルバーブレスかと自分に言い聞かせる。
鉄男に自慢し、そっとフックを外してリリース。
短いファイトだったので元気で、彼女はまた冷たくも光り輝くオホーツクへと消えて行った。

 始めてまだ20分も経たない。意外と簡単に食って来た気がした。
遠投の効果なのか、アンサーの魔力なのか?
とりあえず父のメンツは保たれたってなワケ。 (^^v


 もうヒグマの事など忘れて遊んでいる鉄男は、まだ釣りをしていてもいいって言ってくれ、ぢゃぁ御言葉に甘えてキャストを続けさせてもらいます♪

 朝もそうだった、鉄男が居ると釣れるのか?
また岩に上がり、澄み切った海面は穏やかで、トップライトを浴びてキラキラと輝く波間。その色の濃い場所に視線ロックし、軽快な音を奏でたベアリング音と共に、アンサーは一直線に飛行してはワイアー誘導の兵器の如くに目指すポイントに向う。1回転のフケも無くABU5000Cより放たれたPEは真っ直ぐに伸び、ルアーがまだ飛行中にロッドを左手に持ち替え、着水間際の空中で左親指でサミングしての、右手はハンドルを握って着水と同時にクラッチIN。

 ロッドを寝かせて軽くスラッグを取り、ゆっくりと3つ数えてからロッドを立ててリーリング開始、、、
・・・から、ロッドが完全に立ち上がる前に押さえ込まれて立たなくなった!!
バットだけは瞬間ドラッグを滑らせて胸元に来ているが、スミス10ftは大きく弧を描き、ロッドティップはルアーがあるべく方向にラインと一直線に突き刺さっているのだ!!

 『フィッシュオンンン!取った!!
  鉄男、今度はもっとデカイんだゾ♪』


 「またつったの、すごいすごい♪」

 巻けない、巻けないどころか沖へ沖へとドラッグを突破している。
まるで数秒後に起こる事が脳裏に浮かび、
 『飛ぶゾ鉄男、見てるか!!』

直後に海中に刺さったラインが海面へと移動し、力強く沖目でグリーンに輝く魚体が海面を割って出た!

 『うっひょ〜、スゴイゾスゴイゾ重いゾ巻けないゾ♪』
さっきの雌とは比べ物にならない力でグングン引きマクリの、この岩に乗って一人独断上で狂喜している姿を、間違いなく上の道路から大勢のギャラリーが見てるであろう。
 ドラッグを強めに締め、PEとリーダーを信用してポンピング開始。
20mまで寄せてたらまたドラッグを突破されて横に走られ、動きが鈍くはなって来たがこの重さは全く衰えてはいない。海面でラインは大きな円を描いては、徐々にリールの中へと巻き取られている。
 10m、5m、クリアな海面で悠々たる体高の雄の姿を確認し、この浅場で根にでも擦られたらと思うとロッドは高く保持したままで息を呑む。3m、また突破、5m、4m、3m、2m、、、
岸の浅場を探して誘導し、釣りのフィナーレは鉄男の目の前で。


 それは見事な体高を誇示した雄のピンクサーモン65p。
雄々しく気高くも美しく、シルバーの幅広のボディーからは淡いピンク色の耀きを放ち、まだ余す力で浅瀬でオレ達に冷たい水飛沫を浴びせつける。

 「でっかーい。またにがすの?」

 『うん、釣れてくれた御礼に、また海に帰すんだ。』

 口からスッとフックを抜き、海に入って両手で支えてやる。
鉄男にオレはこう言うのだ、

『鉄男が産まれる前から北海道に来て、魚を釣ってたんだ。みんなが釣って食べてしまったら、きっともう居なく、釣れなくなってしまうだろ。その頃にオレがヒグマに食べられていたら、鉄男だって今居ないハズなんだ。こうやって海に帰してあげると、また川に遡って子孫を増やし、次に来てもこの子孫が釣れるって事なんだョ。』


 暫らくしてその広い尾が力を回復すると、彼はまた冷たくも光り輝くオホーツクへと消えて行った。

 『釣れた、釣った、素晴らしい、サンキュー、バイバイ!』


 浜に上がり、鉄男の天然HOTになったジュースを頂く。

 「あの鳥って、なにかたべてるよ?」
海岸には釣り師が投げ捨てて行ったピンクの内蔵やエラが散乱し、鳥達は釣り師を横目で見ながら、その不法投棄されたエサをあさっていた。≪捨てるな!≫って看板があろうと、ヒグマに餌付けするつもりなくとも生ゴミを平気で捨てて行く釣り師。こんなにもエサがあれば、そりゃヒグマだって匂いに釣られて食べに来るわナ。


 Wのロッドにアンバサダー、シングルフックの大きなアンサーを勲章とし、満足して誇らしげにロッドを担いで駐車場に帰る。アメも釣った、ニジも釣った、そしてトロフィーサイズのピンクサーモンも釣った。心残りが有るとすれば、30オーバーのニジを釣りたいナ、っ程度なささやかな願望のみ。

 残ってたパンを鉄男と分け合い、一路ルートを斜里方面に向けて出発進行。
来る時から「こんぽく♪こんぽく♪」とワケワカラン呪文を唱えていた鉄男の希望を優先し、とりあえず知床横断道路の根北峠を目指して進む。
その根北峠にも廃線が有るらしいのだが、ドコから入れ知恵されたのだか?(^^;

 斜里の手前でショートカットし、R244に合流。
ヒグマのテリトリーの幾品川に入りたかったのだが、橋の袂には先客が居て、こんなにも釣り人が居たらヒグマも気を悪くするかと思い、今回も入渓を断念すると。
 暫らく走るとありました。その「らしきモノ」は、オレ的にはココを通る度に見てる景色の一部でした。


 さぁ有ったゾって、、、鉄男は昼寝してマシタ。。。
 『起きろョこのコンポク野郎!』

 このコンクリート嬌はと、戦時中に完成はしたが、ここまで線路が延びない内に廃線になってしまった悲しい歴史があるそうナ。今まではナニ気ナク通っていた道なのだが、一旦知ってしまうと、『ふんふん。』などと頷いてしまったりもします。


 標津は通らず、開陽台方面に右折しての、広く真っ直ぐな道を中標津に向う。
中標津でチョイと休憩。ハラヘッタのでラーメン屋にでもと♪
【丸福】って店を探し出し、『醤油チャーシューメン!』


 醤油と魚介系の美味さ溢れるラーメンで、新し系でもないが古めかしい懐かし系でも無いと思う。
醤油は生醤油に近い味わい。魚介系はドレとは言わずに複合味で、風味も旨味もあるのだが、どこか纏まりがなく感じる。麺は地粉と書いてあり、多加水の#20か、醤油とか魚介系に押されて地粉らしさがイマイチ。旨い、美味いのだが、どうも完成形的なバランスでは無く、一見して分かり易い味に思えるが、裏を返せばどの味もバラバラに主張してる感じがした。
 初めて食べる店では、『また来よう♪』と思うか『へ〜そうなの。』と思うか、その辺りがソソル印象度の分かれ目になります。美味くともソソラナイ味もあるし、どって事ない味なのに通ってしまう味もあるのです。


 中標津からは大好きな道R272で釧路方面へ。
あれっ? R272はすぐに広い道となり、暗黙の了解の上でのハイウェー化がされていた。
まるで別世界の道路で、一般国道としては日本一平均速度が速い道ではないか?
う゛〜ん゛、今までのR272ってこんなに開発されていなかったよナ??
このまま釧路まで延びれば便利そうだが、オレとしては嫌いな道になってしまいそうだ。(困)

 標茶のコンビニでRYOさんと待ち合わせ。
居ましたRYOさん、釧路川でナイスサイズのアメマスを釣ったそうナ。
オレもピンクサーモンの写真を見せて自慢します。(^^ゞ
 今日はもう釣りはせず、和商市場で夕飯を食べ、どこかのキャンプ場に行こうってな計画。
しかし釧路市って、頭の中ではルート1本なのに遠い。。。


 PM6:20,和商市場に到着、、、ってもう閉まってマシタ。(泣;)
明日の朝飯でまた来ようって事は決定で、さて、これからいかがしましょ?
 ちょいと調べると塘路に行けば温泉もキャンプ場もあり、、、
なのだが、RYOさんは走り疲れの釣り疲れで、近くの公園ででも休みたいとの事。ぢゃ、明朝ここに集合って事で、オレ達は50km先の塘路まで寝に行って来ます。

 鉄男に腹は空いてるかと聞けば、コンビニのザルソバが食べたいと言います。
そりゃまた簡単でヨロシイ。しからばコンビニで買出しをしましょ。


 陽はすっかりと暮れ、「えき、ちかくに、えきがあるんだよ。」などと言い出す鉄男。(笑;)
少々迷いながらも塘路湖畔の塘路キャンプ場に着きました。暗いキャンプ場を確認してから温泉でもと思い、カーナビを見ていると「えき、駅!」とウルサイので、とりあえず塘路駅に行って黙らせます!

 ひっそりとした無人の塘路駅。
夜の駅は静まり返り、常夜灯の灯かりだけが温かく辺りを照らしていました。

 「こんやは、この駅でとまろうよ。」

 『・・・って、(爆)』

ダレですかっ!鉄男に駅で泊まったとか
 駅で泊まれとかの入れ知恵をした人わっ!!
(^^;

 ふっふっふ、さっきのキャンプ場は暗くて恐いんだナ。
でもコレもまたイイんぢゃないの。オレだって河原で泊まれば朝起きて即釣りが出来るし、そのノリですネ。
朝起きたら即線路で即駅ってな魂胆だナ、と。(笑)
 しかし車での一行としては駅の中で泊まるワケにも行かず(注:徒歩とかチャリ・バイクならば可なのだとオレの中での掟でもある)、駅の隣りの広い駐車場で車中泊にする事で合意します。

 駅の前には都合よく木製のテーブルとベンチがありました。
付近には民家もあるので、コレもMy掟的にランタンは点けずに夕飯の用意。駅前で本格的に炊飯したり料理したりするのも難ですので、コンビニのザルソバで良かったと妙に納得しちゃったりもします。
 テーブルにジュース・ビール・コンビニソバを出してと、駅の灯かりがしみじみとした効果を演出してくれるのだが、この雰囲気、ナントモ理解し難いこの日今夜でありました。

鉄男君、満足してるか〜ぃ?

 ・・・しかしコイツ、駅で泊まりたいって。。。

 〜254km






8月13日 土ようび  とうろ晴れ!!   塘路駅P〜   

 AM7:00起床。アタリマエに鉄男の姿はありません。
駅に行くと、カメラ片手の怪しい少年がウロウロしていました。(^^;
さっそく捕獲し、デジカメの行動記録を見ますれば、1枚目の写真は4:55になってました。(笑)
1番列車らしき写真は6:31で、1持間半もナニしてたんでしょうか。(爆)
朝から鉄っちゃんも居たし、上下で何本見たと得意になってました。



 8:00,RYOさんの待つ和商市場に朝飯を食いに向います。
山を下りると青い空が広がり、太平洋高気圧を満喫して窓全開走行。
さすがに盆の真っ最中だけに、釧路市内に入ると混んでいました。

 和商市場着、RYOさんおはよ♪
場内は観光客で賑わいをみせております。
カニやイクラを試食しつつ、さて、勝手丼のベースとなるご飯を買いに行きます。
 『鉄男、おかわりしなくてもいい様に大盛りにしなさい。』(←昨年の教訓)

 特に変わった素材があるワケではないが、好きなモノを好きなだけ入れられる。たぶん毎年同じ具材をチョイスしてると思うのだが、これを食べたいだけで嫌いな大都市までわざわざ来てしまうのだった。こんな勝手丼は自分の中で唯一の観光であり、毎年の知床からの確定ルートとなってしまっている。
 今回はクジラもチョイス。考えてみたら、クジラ肉が一切れ単位の刺身として売ってるのは珍しいかもネ?
調査捕鯨として捕られた鯨は、昔から流通のある店にしか卸されないと言います。近海物の本マグロなどはどこの店にもあるが、この勝手丼を出す店でも全ての店でクジラを置いてあるわけでもない。
 この勝手丼は毎年の北海道で一番の御馳走。野良屋さん、けっこう安上がりな人なのです。


 オレ達はもう帰路ルートに入り、RYOさんとはココでお別れ。
思うようには釣りが出来ませんでしたが、とても楽しかったです、はい。鉄男と遊んでくれてありがとう。マメタンでジンギスカンも美味しかったですョ。
 有望な川はドコにでもあります。これから大いに開拓してください。そして、もうオレ達に気兼ねなく、人跡未踏のヒ○マの巣窟から、有名心霊スポットでのキャンプまで存分に堪能して頂きたい!(笑)
レインボーのティールウォークをもっともっと見てみたいと言うRYOさん、、、
釣ってください、跳ばせてください、アレを味わったらヤミツキですゼ!!!

 「野良屋さん、来年も来ますよね?」

 『RYOさん、来年まで居ますよネ?』

 「りょーさんって、ここにすんでるの?」



 RYOさんにバイバイし、今年もまた近くのSL公園を軽く見物。
車に乗り込み、今日も風が向う所へと気ままにゆるゆると出発。

 市街地を抜けて跨線嬌を渡った時、遥か向うのコンクリートの隙間からナニか見えた気がした。
カーナビを見ると、その方向には駅があった、、、鉄男、行くゾ!
近付くと建物の陰で見えなくなってしまうのだが、見えたのだ、いや見えた気がした、確かに赤いモノが?
 それは新富士駅、見ると貨物ターミナルらしい。
貨物ターミナルで赤いモノと言えば、、、

ありました〜! またしてもDD51が♪


 白線無しの北海道バージョンのカラーリングで、赤くデカク、力強いフォルムのヂーゼル重機関車DD51。
一度でも見てしまうと目が慣れ、ドコに行っても居るようにさえ思えて来る。かつて十数年も北海道に来て、きっと道沿いで何度も見ていたハズなのだが、関心が無ければ記憶にも留まってはいない。
釣りでもそうなんだ。一旦釣れる事を憶えてしまうと、その場の感覚が慣れ、どこにも魚が居る、どこでも釣れると思えて来たりもします。
 でもこのDD51は魚とは違い、この日この時間ここに来れば誰でも見えるのだ。
がしかし、貨物ダイヤも鉄道情報も知らないオレとしては、またこの重機関車に会えた事は偶然にして幸運であり、先のプッシュプルDD51もしかり、交通記念館で展示車両を見るのは釣り堀でニジマスを釣るのと等しく、こうやって生きている車両に会うのは、正に原野で天然レインボーのティールウォークを目の当たりにしたのと等しい感激でもあ〜る!
 だがしかしなのダ!!!
ナゼにオレがDD51を見て喜ばにゃならんのだ。。。(苦笑;)


 釧路市を抜け、R240で阿寒町へ。
カーナビで≪炭鉱と鉄道館≫なるものを見つけたので、チョイと休憩をばします。
暑い、熱い、今日もメチャクチャ熱い陽刺が降り注いでいるプチ観光地なのでした。

↓朽ち行くC11と、
↓野ざらしで朽ちたトロッコ、、、



 短時間でも車を停めただけでも車内は極熱状態。
この暑さ、この痛い程の陽刺、とても嬉しい今年の北海道なのです◎。
エアコンは入れずに窓全開。走り出すと風は心地良く、澄んだ空気はどこまでも走れと招いています。
 阿寒湖を通過し、道路脇に居たエゾシカの親子に挨拶。青く広い空は山の彼方まで続き、この車もこの道路も、自然の中ではとても小さな存在なのかと思って来ます。徒歩や自転車ならば、もっともっとより自然に北海道を満喫出来るのでしょうネ〜。

 炎天下の中の足寄川で涼みます。
が、水量は少なく、どう考えてもぬるく、魚の気配さえ感じられずに早々に断念。

 上士幌の町はは通らずにショートカットし、R273を糠平方面へ。
・・・行こうと思ったが、鉄男がお昼寝してるので音更川に入る。
通り雨があったらしく道も草原も濡れ、ちょいと蒸すのだがウェーダーを履いて川へと出撃します。
 たった今しがら軽く増水した雰囲気で、渓相も水の色も申し分ナシ。
ニジでもアメでもガツンッ!と来そうな川なのだが、期待に反して川からの反応は無く、ヤブ蚊やメジロに食われながら川から退散してしまう野良屋さんなのでした。
 『よっ鉄男、起きたか。これから面白いモノを見に行くゾ。』


 糠平へと続く広い峠道での事。鉄男に見せたかったモノとは、糠平湖の下流、谷間に流れる音更川から深い森の中で見え隠れしていました。
 「おぉー、しほろ線の、はい線の、アーチばし♪」

公約は果した。来れば有るってモノを見せるのは簡単でヨロシイ。

 思いのほか早く糠平に着いたので、まだキャンプ場には行かず、ダムサイトから対岸に廻って糠平湖の林道周回コースへと走ってみます。もちろん、めがね橋もまた見させてあげようかと思ってネ。
狭く薄暗い林道が続き、ヒ○マの気配にビビッている鉄男を今日も笑い飛ばします。
林道を走る車はタウシュベツ川へと近付き、見渡せる場所を見つけて外に出てみます。

沈んでなくてヨカッタな、と♪


 コレって良く考えたら、ダムが3mも減水さえすれば見えるんでないの?
丁度良く減水すれば、湖面に一筋の道が見えるのも拝めるハズだと。
確か前に釣り雑誌で、更に不思議な光景として、湖面に立っているフライマンの姿があった。運良く減水していたら、湖面の水面下に延びたこの橋の上から釣りが出来るってワケなのだナ、と。


 湖を一周し、キャンプ場に入る。
鉄男にも手伝わせてテントを張るが、どうも今日は蚊やら細かい吸血虫が多く、動いていても膝の裏とか腋の下とか首筋とかに容赦なく止まって来るのであった。イイ気になって足あげながら恍惚となっている蚊を見つけてはペシペシと叩き合い、このヤブ蚊ばかりはリリースなどと甘い考えはナシにして葬ります。

 早くも寝る準備は出来たし、夕飯を食べに行きましょか。
タオルを首に下げ、マグライト片手に【麺屋どんぐり】まで歩いて行きます。
 『こんばんは〜、またまた来ました。』 

ネギ塩ら〜麺♪


 「あのね、めがねばし、見てきたんだよ。上でも下でも、はい線のはし、あった♪」

 もう味噌ラーメンなどはソッチノケで、店主と喋りマクッている鉄男なのです。
今までの日照りで肩は赤く日焼けし、その上に蚊に刺されてカユイやら痛いやらで、手とか足とかポリポリ掻きながらラーメンを食べる親子なのでした。
 ネギの上から熱した油をかけ、ソレがまたアッサリとした塩ラーメンに香りとコクを与えています。
噛めば噛む程に太目の自家製は甘味を増し、カン水臭さも無く十分なコシもあり、サクラエビの香りもゴマの香ばしさも弾け、この味は正に喝采レベル!(キッパリ)


 満腹し、堪能し、店を出て温泉の糠平観光ホテル・中村屋に行きます。
覚悟はしていたのだが、、、今日の湯は一段と熱いsssssっす!(^^;
 あまりの熱さに日焼けしてる肌が痛く、鉄男と身体だけ洗って出ようかなどと情けない事も考えてしまったのだが、ここまで来て湯船に入らないのは日本男児の恥。肩まで浸かって100数えたら出ようと息を呑む。。。

 『ぬ゛お゛ぉぉぉ〜!!!』

 「あ゛ち゛ゃぁぁぁー!!!」


 玄関を出ると外の風は看護婦さんの様に天使の優しさで撫でてくれ、まるで生きた心地がしてます。
キャンプ場までブラブラと歩き、話しながら同時に気が付いたのだが、、、
オレも鉄男もあの温泉の熱さで、蚊に刺されてカユイのが治ってしまってしまいマシタ♪(爆)
 『オソルベシ、激熱糠平温泉の効能とわっ!』(^^;

 〜244km








8月14日 日ようび  激熱糠平晴れ!!   糠平キャンプ場〜
 AM6:00,なぜか鉄男に起こされる前に目が覚める。
もう数日の余裕もない事を知ってか、昨夜も幸福駅だ愛国駅だと、手持ちネタ最後の願いをオレに熱く語っていた鉄男。家を出る前にはそんな駅名は口から出ていなかったハズなのだが、コレも誰かから仕込まれたネタなのだろうか?
 地図を見ると、帯広に旧愛国駅ってのがあった。
旧ネ、旧だと、やはり廃線の記念駅だとわ(笑)。明日はもうフェリーだし、もっと釣りもしたいしデカイ町は通りたくもないし、、、ま、最後の願いとして帯広位ならば聞いてあげましょうかネ〜。

 地図を見ながらコーヒーをチビチビと。そろそろテントの中でガサゴソと起きた音がしたので、
 『今日はトムラウシ温泉に行こうか、前にヒ○マの子を見た事あるんだゾ♪』

などとテントに向って話し掛けると、、、また寝たのか無反応の御様子。
別にイイかと思い、またコーヒーをチビチビと。

試しに『愛国駅ってどこにあるのかナ〜?』と小声でつぶやくと、

 「おびひろだよ。ひろお線があったんだよ、行くの♪」
 コレワコレワ、どこかの寺のヲコがましぃってな感じの目覚め方。(笑)

 朝食は軽く、カップポタージュと道産のポテトチップス。
早めに出発すれば町の道路も空いてるかと思い、そそくさとテントを撤収する事に。
7:00,今朝の空も青く高く、また暑い日になりそうだ。


 然別湖を抜けて扇ヶ原の展望台から下界を見ると、眼下の十勝平野は雲の下で全く見えず。
いや、雲と言うよりも低いので朝霧か。この十勝平野が真っ白に埋まり、雲海カナ雲海カナ。

 峠を下ると同時に晴れ渡り、道脇の草木は斜光を浴びて朝露がキラキラと耀く。目指すは帯広郊外だが、どうせ迷わずに行けるだろうと思い、カーナビにはルートガイドをさせずに、農道とかを見つけては気ままに走ります。如何にして町中をエスケープするか、ソレだけを考えて走る野良屋さんなのでした。
 芽室から山際の川を見ながら迂回しようかと思っていたが、アレヨアレヨと市内に突入してしまい、シブシブ最短ルートをカーナビに教えてもらいの、ナントカカントカ愛国駅に辿り着きましてゴザイマス。

 ソコには廃線のハズなのに全然立派な駅があり、もう観光客が次々と拝みに来てるのでした。
言いたくはナイが、なんて風情のない廃線駅なんでしょ。(^^;
でも交通記念館と書いてあるし、廃線になってから新たに建てたのかもですネ〜。(←興味ナシ)


 ホームにはオヤクソクでSLが展示してあり、観光名所だけに手入れも行き届いて見えます。
しかしこの北海道ってのは、ドコに行ってもSLがありますネ。
まぁネ、ココにディーゼル機関車があっても絵にならないとは思いますが。(笑)

 『はい、これにて観光終了ぉ〜♪』

 行くゾ鉄男、グローON、発熱MAX、ピストン降下、上昇、圧縮ヨーシ、軽油噴射!
 初筒着火!!二番三番四番も連鎖、過給器圧上昇、出発進行!!!



 今日もクソ暑いです、走ると爽やかなれど、市街地の信号待ちが熱いっす。
川に涼みに行く前に、どこかで腹ごしらえでもしましょうネ、と。
されど街道沿いのラーメン屋はアヤシイですし、この近辺に知ってる店はないですし、、、

 さて、運良く見つけた店で勝負に出ます。【自然派ラーメン めん吉】
看板には自然派ラーメン・自家製麺・十勝名物網焼き豚丼の文字があり、迷わず入店。
チェーン店か支店かみたいでアヤシイのだが、ドカチョかったら二度と来ないゾ、と。
んで、今年も糠平で【みはる】に行けなかった(注:行かなかった)ので、名物豚丼もイイかと。(^^ゞ

 写真付きのシッカリとしたメニューがあり、小洒落た洋食喫茶風の店内でした。
オレは≪厚切あぶりチャーシュー麺≫で、鉄男にはもちろん≪網焼き豚丼≫を。


 『こりゃアタリです♪』
 湯気も立たないラーディックさは◎。醤油のソソル香りがし、自家製と言われる麺は#20の低加水縮れ。
塩出しした柵メンマを薄く割き、小口切りのネギもGOODで、コショーでも振ったら言う事ナシかとも♪
豚骨ベースの味でシッカリとしたコクがあり、魚介系の旨味は目立たないのにバランスが良いです。
炙られたバラチャーシューは味が良く、そのオツユ具合からは冷凍作り置きではない事が伺えます。

 オレ的には、旭川ラーメン村の【天○】よりも遥かに美味いと思います。
似合う、似合うゾ低加水麺。新潟ではウケない低加水麺だが、この旭川系のラーメンは美味いです。
モチっとした熟成多加水麺とは違い、スープが濃くても麺の美味さが活き、そして徐々にスープを吸って変化する麺を楽しむのが低加水麺の信条なのです、はい。
 『コラ鉄男、豚丼全部食わずに少しは残しとけョ!』


 カーナビにマークを付け、また来るゾ♪と誓いつつ出発。
広い広いR38は徐々に車が少なくなり、快適な大田舎道走行。


 新得にてサービス休憩。町外れの道路沿いにはSLのD51が鎮座しているのでした。

 かつてここには狩勝峠鉄道とか新内線とか言う線路があり、今では廃線になった線路を埋めて、ジョギングコースか散歩道になっています。また、この沿線山奥には狩勝峠鉄道遺産群の橋などがあるそうで、ヒ○マにさえ会わなければ観光も可能かと?(^^;

 ここまで見てしまったので、廃線終点の新内駅跡まで行って見ます。
狩勝峠に向かい、途中で左に入る。林を抜けたら開けた高原ってな場所になり、そこには旧新内駅とSLがありました。今も訪れるマニアは居るのか居ないのか、青空の高原に、静かに静かに佇んでいました。

↑草なんか生えちゃってますが、



 狩勝峠を越え、日高へと向います。
トマム川を見ると先客が居て、アメはもういいかと思い、ニジの跳躍を見たさに鵡川を目指す。
通い慣れた道は山に囲まれ、眩しい陽刺を浴びて草木が萌える。
そよそよと緑の香りの風が吹き、別荘が欲しいナ〜、と思える風の谷。

 また不意に鉄男が閃き立つ。
 「トマムトマム、このさきにトマム駅があるよ。行こうよね。」

 もうオレとしては慣れっ子で、話し方の雰囲気がまたアンテナでナニかをキャッチしたのだナ、と察する。
もう信じるしかないのダ。多くの駅を通過して来たが、鉄男「行こう♪」と指定した駅に限って、きっとすぐに列車が来てしまうのが不思議でもあった。もしかしてコイツに釣りを憶えさせたら、釣れるポイントを見抜く才能が開花するかも知れない、ナンテネ。


 トマム駅に着いてすぐ、並々ならぬ気合いでホームに向う鉄男
オレはゆっくりと車から降り、そろそろウェーダーでも履くか♪などと考えていると、

 「ほらいま、しんごうがかわった!来るよっ来るよっ、とっかっちぃ♪」

↓やっぱり来ちゃいました、
↑しかもWで。。。(^^;


 こともあろうに、トカチとスーパートカチのスレ違いの場だったのネ。
この光景とは、この駅で1日に何回もあるのでしょうか?
 『この時間この駅に来たのはホントに偶然なのかっ!?』(^^;



 川が呼んでいる、、、オレには分かる。
そよ風の香りが、流れの音が、木々のざわめきが、感じるのだ、確かに、願望として。。。
先客が入って居なそうな場所を感じ取り、ココゾと決めてウェーダーを履く。
何年か御無沙汰していたポイントなのだが、前と渓相が変わっていない事を祈る。

 入渓してすぐ、対岸の巻き返しをトレースした時にガツン!と♪
そのニジは小型ながら跳ねマクリ、流芯の向うで華麗にフックアウト。
バレてもニヤニヤしながら2歩下流に下がり、今度は流芯尻で丁寧に扇を描かせる。
ピンと張ったラインからショックが伝わり、間髪入れずにまたニジが宙に舞い踊る。


 小型でも引きは強く、何尾かのマイクロダイナマイトが炸裂してくれた。
もうこの先の1エリアで引き返す事に。
そこは勝負処の大場所で、緩い流芯には大きな岩が沈んでいたかと記憶している。
 ココは一発大物に期待し、Dコン63に替えて対岸にキャスト!
ロッドを高く構え、テンションをかけながら流れをゆっくりと横切らせる。
反応がないと二歩下がり、同じ距離で同じ様に流れを扇形に切り取って行く。

 まだ雨が降っていないのか減水ぎみで、目指す大岩は水面直下で頭が流れを分断していた。
深呼吸して一投目、Dコンはキリキリと舞いながら大岩のすぐ後をトレース。
また二歩下がり、大岩の巻き返しにDコンを誘導。
ハンドルを止めてロッド高く構え、ティップの向きを変えながら、、、
 『ドカーンと、来たゾ〜♪』


 倒しぎみのロッドはそのまま立たずに弧を描き、カーディナルはドラッグ音を奏でながら下流へ下流へとラインをジリジリ吐き出して行く。いい引きだ、コレは期待出来そうなサイズだゾ♪
流芯に突入すると待ってましたのティールウォーク!!!
シルバーボディーが虹色のアーチを作り上げ、この7ftのロッドもオレの目尻もをベナベナにしてくれている。
 『すんばらしぃ〜ったらありゃしない♪』


 余裕の30オーバー!もっともっとデカクなれよとリリース。
それは、いつか釣った個体なのかも知れないし、その個体の子孫なのかも知れない。
また会いたくて来て、また会えるこの幸せ、
この幸せはいつまでもいつまでも続く事を願わずにはいられない、感謝。


 『鉄男ぉ〜、また大きいの釣ったゾ〜♪』
って、絵日記書きかけで昼寝してるのネン。

 発車したら起きたので、試しに占冠駅に行って見ようかと提案してみた。
すると、「べつに、行かなくてもいいよ。」とソッケない御言葉。。。
昨年はWでトカチを見た駅だゾ、ナゼに食い付かんのダ!
 論より証拠、占冠駅に着きました。
トイレに行って来ます、、、物産屋を軽く見てみます、、、20分は経過しました、が、、、

 『やっぱナンも来ません。』 (^^;;;



 日高のスーパーで買出しをして6:30、日高キャンプ場に到着。
いつもの場所にテントを張り、鉄男は前に作ったダムが心配で見に行ったと。(笑)
夕陽が赤く山の稜線を染め、隣りの沙流川の音と遠くでカナカナとセミの鳴き声、
青かった空は濃度を増して夜となり、ピーク1に白い火を灯して夕食の支度。
 買って来たカツオにコチジャンとニンニク、溜まり醤油とゴマ油で絡めてネギを加える。
十勝ソバを茹で、惣菜の天ぷら盛り合わせとで、今夜は天ザルなのです。



 流れ星を数えながら温泉に行く。
今夜が最後のキャンプだゾって言うと、小樽交通記念館からポッポ屋からマメタンジンギスカンからオホーツクダムの事まで、まるで今日の出来事のように、それはこの一週間の思い出と言うよりもリアルに、今指名されて教科書を読んでるかの様に語ってくれた。


 キャンプ場に帰って来て鉄男をテントで寝せの、オレはゆっくりとビール飲みながら星を見ている。
今夜もまた、北斗七星が大きなネットを広げている様に見える。
大物をネットINか、、、もう大物ピンクも釣ったし、尺オーバーのレインボーも釣ったし、ヒ○マも見たし♪
あっそう言えば、北斗七星ってヒ○マ座でしたネ?(笑)

 〜314km







8月15日 月ようび  最終晴れ!!!   日高キャンプ場〜
 AM6:00,今日も釣りに行くべく早起きしてみました。
昨夜の北斗七星の耀きはと、今日これから起きる事の暗示だと見ました!(←幸福妄想主義)
ヒ○マでも大アメでもかかって来なさい。必ずや写真に納めてからリリースしますゆえ。

 セーコーマートで朝食を買い、昨年爆釣だった螺旋切川まで足を伸ばしてみる事に。
この最後の晴の良き日に、ハズレ無しの満足感を得ようってな試みであります。
 絶好調で大高気圧の真っ只中、もう何でもイイんだ、釣れさえすればいい。
釣り師も博打師も、過去と未来はあるが現在がないのだと言います。
「昨日は良かった、」 「明日は良いだろう、」
更には、「もう少し、あと1回だけ。」などと後に引けない神頼み的なところも似ています。(^^;
勝ち逃げが鉄則ではあるのだが、『もう少し、あと1回だけ!』と、心の中で叫んでいるのです。
 既に運命は決まっているのであれば、その線路に乗ってしまったのであれば、ソレがパンドラの箱だろうと半死半生のネコの入った箱だろうと、開けて見ない事には現実が出て来ないのである。今思っている事に忠実でありたい。希望があるのであれば希望をと、奇蹟を信じるのであれば奇蹟をと。


 昨年も入った場所から入る。
鉄男が居ると大物が釣れそうな気もするので、河原でダム作りでもさせときます。
入渓者の痕跡ナシ、準備OK、鉄男見てろョ、また目の前で魚を釣るからナ。(←ってな自信満々♪)

 『ってお〜、一発目からヒットとわっ!!!』
この川ってメチャクチャ凄いのかも〜♪

 鉄男の前でニジが跳ねマクリ、アメが砂濁りを作り出す。
すばらしい、この川は今年も素晴らしい。
もう立ち位置を変えずにも満足しているのだが、
 『もう少し、あと1回だけ!』

 全てのポイントから魚を出しつつ、鉄男の見ている範囲で釣り下る。
ここは小さな渓流だが、瀬にも淵にもドコにでも魚が居て飽きる事すらも忘れて恍惚となってしまう。
流れの集まった大場所などは息を飲み、やはりその場所に応じたサイズが応えてくれる。

 勝負ポイント。流れは深く厚く濃く、元気な小物よりも一発大物を狙いたい。
この数投が勝負、Dコン63をチョイスし、視線入力ON、着水ポイントロック、発射!
ロッドを立てながら流れに沈ませ、今だと思いテンションをかけて流芯をトレース。
その流芯ド真ン中で来たーっ!!!

 流れの中でグングンと引き、この躍動感はドン臭いアメではなくてレインボーのソレなのだ。
全然重い、強い、凄い、昨日のよりも大きいだろうと察しが付くが、ニヤニヤしている余裕すらもない。
素早くラインが対岸に移動して1発2発、
  『跳んだ〜♪』

デカイゾ、デカイゾ、逃がせないゾ、
フックはノーマルの小さなトリプルから北海道仕様のシングルでバーブレス、
ティールウォークは見たいがバラシたくもナシ、、、
 プール内を引き廻って瀬尻に出て来た。
ゆっくりとだ、慎重に、焦るな、まだ早い、
逞しいグリーンの背中を見つつ、も少し、も少し、ネットINNNNNNN!
 『捕った〜、スゴイ、レインボォォォ〜!』

トドメのBIGサイズ!!!


 コレだよ、侮れないよ、北海道の渓流オソルベシ!!!
ネットINした時にはフックが外れ、そりゃ保険的には恐いがバーブレスで良かったと思う。
また来たい、また会いたい、元の流れにそっとリリース。
完璧だ、大団円なのダ、もうロッドを納める、コレが勝ち逃げなのである。(キッパリ)
素晴らしい川、素晴らしいレインボー、北海道万歳!


 『鉄男ぉ〜、帰るゾ〜。』
また一生懸命にダム工事をしとりました。
なんでも釣った魚を入れられる様に作り、魚道から川に行き来できる新方式だそうだ。
もうチョット大きく作ってもらいたかったかナ、と。(笑)


 まだまだ時間はあれど、必要以上には求めないで、それでいて十分過ぎる程の満足感。
ステキな川を虚ろな目で見つめ、深々と御辞儀をしてバイバイ。
釣りで得られるささやかな、且つ、1年分をも満たしてくれた至福の時間をありがとう。


 暑い車に乗り込み、帰路に向けて出発進行。
夕張までは思い付きも閃きも無くのんびりと走り、大お土産屋で一先ず休憩。
目ぼしいモノを物色し、オヤツも少々つまみの、さてまだ苫小牧に行くには時間があるな?
 釣りはもう十分だし、鉄道も満腹だよネ、鉄男鉄男?、、
そうダ、数年前から行きたかった店、室蘭の【鉄平】に行きましょう♪
なのだが、室蘭は近いようで遠い、、、
非常手段として、高速道路で室蘭まで行ってみましょうかネ、と。

 夕張インターから入り、ド暑い高速で遥か室蘭まで一直線。
やっとワカリマシタ。北海道で高速道路なんて無意味だと思っていたが、こんな時に使えるんですナ。(爆)
高速道路でラーメン屋に向うってのは、新潟では日常茶飯事やってる事なので後ろめたい気持ちもナシ。(笑)

 見る景色もなく、停まる機会も無く、山や湿原や原野を切り開いた高速道路は容赦無く続いております。
3:00にやっと室蘭に着き、とたんに空の栓が抜けた様な夕立の歓迎に遭う。
市民会館を目指して行くと、この店はショッピングセンターの一角にあり、目の前に店があるのだがドシャ降りの雨で車からおりられず、意を決して滝の中を駆け抜けたのでありました。


 店内には芳醇な醤油の香りが立ち込め、この香りだけでもイッちゃいそうなソソリ具合です♪
オレは二段仕込み醤油麺を、鉄男には道産合わせ味噌麺を。
出て来たラーメンは醤油色が濃く、その香りからでも再仕込み醤油だと察する程の芳醇さです。
軽めな動物系に魚介系も合わさり、一仕事された香味油も印象◎でした。
 麺は自家製?地粉使用との事だが、高めな加水のせいか醤油に押されぎみなのか、もう少し太目の方が主張しやすいかも? されどなかなか美味い麺であり、深く考えずにもツルツルとイケます。
 チャーシューは柔らかく煮込まれた肩ロース。
オレ的には浅煮の方が美味いと思うのだが、コレはコレでまた一興かとも。
食べるとスープとは違う旨味が口いっぱいに広がり、濃い醤油にも負けない存在であります。
 このラーメンは真面目に美味いっしょ。(キッパリ)
北海道らしからぬ味で、もうチョイ動物系が濃い方がウケが良い気もしました。
鉄男は味噌をバクバク食べてるので、ついうっかりオカワリでミニ塩を注文しちゃいマシタ♪


 この塩ラーメンは、本当に塩とスープを堪能できるラーメンです。
変に小細工も無く、ウブでピュアでシャイで、どこか少し物足りないが、麺が分かるし出汁もイイ。
塩の元ダレをもう少し工夫をすれば、醤油より美味いかもですネ〜。

 オカワリまでして3種食べの、まぁアヤシイ旅行者だとか思われちゃったかナ、と。(^^;
この手の店は大好きです。まだまだ可能性を秘め、来年はもっと美味くなってるかと期待が持てます。
 北海道で、室蘭で、この味がウケてるのかは分からず。。。
が、室蘭に【鉄平】アリと、北海道に【鉄平】アリとまでブイブイゆわせて頂きたい!
来年は来れるか定かでないが、来るならば洞爺湖ルートも考えねば。
 『ごちそうさまでした。』

 ヤバイ、ヤバイゾ、ここは室蘭だゾ、フェリーに間に合うのか野良屋さんんん!(^^;
また高速で苫小牧まで行きます。(^^ゞ



 苫小牧に着いたら余裕をカマシ、また御土産屋かなんか見てたりもします。
満足したら市内を抜け、夕暮れ迫るフェリー埠頭に。

 〜367km




 夕陽で染まった海と原野、あの向うには今年もパラダイスがあった。
ビール飲みながら今年を振り返り、鉄男、少しは進歩したのか?(笑)
 いつもの北海道は、毎年いつもと違う北海道であり、同じルートで同じ川でもまだ飽きさせてはくれない。
鉄男が居ても構わない。鉄男が居ても変わらない北海道があり、そして心なしか違った北海道でもあった。
千人来れば千通りの北海道があり、この年の、オレ達の北海道はここで完結した。

 ふとメールが入り、RYOさんからだ。

今日は○○川に入ってみました。
スゴイです!スゴスギます!!
ニジが跳びマクリです!
野良屋さん、早く来て下さい。
待ってます。(笑)
 〜RYO


 

 やれやれ、まだフェリーは出てないし、行っちゃおっかナっと♪(爆)










  Let’s北海道 2005” 完




 8月16日 新潟晴れ!
PM7:15,帰宅。

 「ただいまー♪」


 〜走行距離2644km

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